EタイプやXJとの比較で探る真価 次世代ジャガー「X900=タイプ00」(1) 開発の起点にあったグランドツアラー

公開 : 2026.04.13 18:05

正式発表が2026年9月へ迫る、次世代「X900=タイプ00」。ジャガーらしさを追求したといわれるグランドツアラーの特徴を、象徴的なEタイプやXJとの比較でUK編集部が探ります。その中で見えた感覚とは?

既存モデルから受け継いだ要素は一切ない

自動車ブランドを新規にゼロから立ち上げることと、既存ブランドの再構築との間には、どんな違いがあるのだろう。難題であることと、より多くの顧客を獲得したいという目的は、一致するといっていい。

他方、活用できる従来のイメージの有無が、決定的な違いの1つといえるだろう。それが実在するのか、一時的なものなのか、単なる思い込みなのかは別として。

ジャガーX900 4ドアGTと並ぶ、同社が管理する象徴的なクラシック・ジャガーたち
ジャガーX900 4ドアGTと並ぶ、同社が管理する象徴的なクラシック・ジャガーたち

これはコードネーム「X900」、別名タイプ00、もしくは4ドアGTのデザインで、ジャガーが向き合った課題だった。正式なモデル名は、クルマ自体の発表までお預けだが、技術的にはまったく新しい。

既存モデルから受け継いだ「素材」は一切なく、ジャガーらしさを感じさせることは、偶然では得難い。あらゆる技術的な取り組みで、実現されるものといえた。

主観的な要素の具体化に務めた技術者たち

そこで主要な技術者は、2021年の開発初期の段階で、「スピリット・オブ・ジャガー」と呼ばれるテストを実施した。ジャガーの動的特性を明確に洗い出し、真のジャガーらしさを解き明かすことが目的だったという。

スタイリングやドライビングポジション、そこから見える景色。最初の50mで感じ取れる第一印象。操縦系の感触や乗り心地、操縦性に至る、クルマのすべてを。

ジャガーX900 4ドアGT(タイプ00/プロトタイプ)
ジャガーX900 4ドアGT(タイプ00/プロトタイプ)

プロジェクトを率いる技術者、ジョン・ダーリントン氏がリーダーを務めるチームは、ジャガー・デイムラー・ヘリテージ・トラストから、象徴的なクラシック・ジャガーを持ち込んだ。何度も試乗し、議論を重ね、主観的な要素の具体化に務めたという。

EタイプとXJとの比較で探るジャガーらしさ

今回は、それを筆者が確認する番。ジャガー・ランドローバー(JLR)のテストコースには、2台のジャガー Eタイプ・ロードスターが停まっている。片方はシリーズ1で、エンジンは3.8L直6。もう一方は、V12エンジンのシリーズ3。存在感は揺るぎない。

さらに、初期のジャガーXJが2台。このブランドを立ち上げたウィリアム・ライオンズ氏が、直接監修した最後のモデルといえる。サルーンのXJ12はシリーズ1のロングホイールベース版で、ショートホイールベースのクーペは、XJ-C V12。大人なクルマだ。

ジャガーX900 4ドアGT(タイプ00/プロトタイプ)
ジャガーX900 4ドアGT(タイプ00/プロトタイプ)

そんな4台と並んで異彩を放つのが、カモフラージュされたX900。トリプルモーターで総合1000馬力以上がうたわれ、車重は2.5tほど。ブランドの系譜と、どのような結びつきを持つのか、期待を高めずにはいられない。

記事に関わった人々

  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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