BMW M4 コンペティション・コンバーチブルへ試乗 最新Mモデルへの期待通り

公開 : 2021.12.11 08:25  更新 : 2022.08.08 07:18

最新のM4にコンバーチブルが登場。青空の爽快さとの引き換えはどの程度か、英国編集部が評価しました。

ソフトトップ化で車重は1920kgに

最新のBMW M4 コンバーチブルは、ATと四輪駆動のみの設定となる。最強のコンペティションでも、MTや後輪駆動版は選べない。

今回試乗したG83型の正式名称は、BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブルと少々長い。通常の4シリーズと同様に、フォールディング・ハードトップではなく、ソフトトップになった点が特色といえる。

BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)
BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)

金属よりファブリックの方が軽いため、ルーフまわりは先代から40%も軽量化できているという。しかし、ボディサイズの拡大と四輪駆動システムの搭載で車重は増え、1920kgと2tに迫っている。最新のM4 xドライブ・クーペより145kgも重い。

ソフトトップにはスタイリングでのメリットもある。折り畳まれる硬いルーフを荷室に格納する必要がなくなるため、リアデッキの高さを抑えることができ、滑らかなフォルムを与えることが可能になる。ルーフ自体の形状も、魅力的なものにできる。

実際、M4のスタイリングはエレガントだ。サルーンと似ていた先代より、ずっと流麗だと思う。例の、縦に大きいキドニーグリルも付いている。登場からしばらく時間が経過したから、見慣れたような気もする。

荷室空間も、ソフトトップ化に伴い有利になった。オープンにした状態で300Lの容量が残るが、先代より80Lも大きい。ソフトトップを閉じれば、385Lへ広くなる。

M4と同じ510psの直6ツインターボ

同等のクーペから145kgも増えた車重の殆どは、固定ルーフを切り落としたことによる、ボディ剛性の低下を防ぐために費やされている。多くのコンバーチブルと同様に。

M4 コンバーチブルの場合、フロント側にアルミニウム製の補強パネルを追加。フロア下に強化ブレースが付加され、リアアクスルのサブフレームは、取り付け剛性が高められている。

BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)
BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)

パワーユニットは、クーペのM4と同様に3.0L直列6気筒ツインターボ。最高出力510ps、最大トルク66.1kg-mを発揮するチューニングに変わりはない。車重は増えているが、0-100km/h加速は3.7秒でこなすという。

馬力や加速力の数字を見る限り、相当にハードコアなパフォーマンスカーだと想像できる。だが、ソフトトップのコンバーチブルは、どちらかといえば穏やかにクルージングを楽しむタイプ。そのミックスぶりに、興味が湧く。

一般道を走らせてみると、通常のM4とほぼ同じような印象を受ける。インテリアのダッシュボードも同じだし、素晴らしく扱いやすいインフォテインメント・システム、iドライブも見慣れたものだ。

サポート性がすこぶる良い、カーボンファイバー製シェルのバケットシートはオプション。首元を温めてくれるエアスカーフ機能の付いた、クッションの良いシートが標準で搭載される。硬い乗り心地も、大きめのロードノイズも、M4と違わない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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