新型レクサスNX450h+の荷室 どれだけ積める? PHEVとガソリン車の違いも検証

公開 : 2021.12.04 09:25

実測調査 サンプルは4種

よく考えられているのがラゲッジ・シェルフだ。取外すと中央で二つ折りにでき、その状態でデッキボード下にぴったりと収まるので、大きな荷物を積んだときに、置き場に困らない点は評価できる。

このほか、今や世界的に欠かせぬ装備といえるバンパー下に足を入れることにより開く「ハンズフリー・パワー・バックドア」も備わる。

Lサイズのスーツケースを進行方向に寝かせて、その脇にボードケースとパイロットケース積めた。この状態ではシェルフがあるので、Mサイズまでは入らない。そのラゲッジ・シェルフは二つ折りにし、床下に収納できる。
Lサイズのスーツケースを進行方向に寝かせて、その脇にボードケースとパイロットケース積めた。この状態ではシェルフがあるので、Mサイズまでは入らない。そのラゲッジ・シェルフは二つ折りにし、床下に収納できる。    上野和秀

「どれだけ積める?」シリーズでは、単に荷室を計測した寸法だけでは実感として理解しにくいため、実際の使用を想定してスーツケースを積み込んで収容力を確認している。

積載チェックに使用するサンプルは、大小のケースを使用。

一番大きいLサイズのスーツケース(790×530×280mm:容量84L)、ひとまわり小さいMサイズのスーツケース(710×425×260mm:容量61L)を基本とする。

ここに機内持ち込みサイズのボードケース(550×400×200mm)と、パイロットケース(540×400×265mm)を組み合わせて確認している。

レクサスNXの荷室寸法(発表値)は、前後長が中央部分で982mm、荷室幅は後席直後で1006mm、ホイールハウス後ろで1387mm。手持ちのメジャーで実測も行ったが、気になる差はなかった。

荷室高はラゲッジ・シェルフ下で450mmとなる。

後席のリクライニングが肝

レクサスNXはリアウインドウが寝たクーペライクなスタイリングを備えている。そのため、嵩のある荷物を積むのはあまり得意ではない。

そこで今回はラゲッジ・シェルフを使用した状態での収容力をチェックしてみた。

後席は60:40分割式で、2段階に調整できるリクライニング機構を備える。その角度が寝ている状態だと、Lサイズのスーツケースがわずかにハミ出てしまい(奥行きが足りない)パワーゲートが閉まらない。
後席は60:40分割式で、2段階に調整できるリクライニング機構を備える。その角度が寝ている状態だと、Lサイズのスーツケースがわずかにハミ出てしまい(奥行きが足りない)パワーゲートが閉まらない。    上野和秀

まずは、定員乗車の状態でLサイズのスーツケースを進行方向に寝かせて積み込んでみた。

すると一見収まっている様に見えたが、ケースの端が開口部から数センチ出ており、バックドアが閉まらない。そこで思い出したのが後席のリクライニング機構だ。

シートバックを折りたたむレバーを操作することにより、バックレストの角度を2段階に変えられる。角度を起こした状態にすれば、その分だけ荷室の奥までケースを押し込めるので無事にバックドアを閉めることができた。

また、前述のように、ラゲッジ・シェルフを取付けた状態の荷室高は450mmと浅め。そのままでは、Lサイズのスーツケースの上に、Mサイズを積み重ねることはできない。

それでも、Lサイズのスーツケースの脇ならMサイズのスーツケースが収まる。

実際に触って気づいたこと

また、Lサイズのスーツケースを進行方向に寝かせたままでも、ボードケースとパイロットケースを寝かせずに積むことができ、さらに小さなバッグなら入る空間が残されていた。

なお、レクサスNXはリアエンドが湾曲したデザインのため、中央部では奥行きが十分にあっても、両サイドに行くに従い前後調は短くなっていく。

トランクの奥行きは中央部分が長くて、両サイドに向かって短くなっていく。こちらは荷室の床下収納。PHEV車は補器用バッテリーが左に配置されるため、スペースが減ってしまう。エンジン車の写真も撮影できたので確認してほしい。
トランクの奥行きは中央部分が長くて、両サイドに向かって短くなっていく。こちらは荷室の床下収納。PHEV車は補器用バッテリーが左に配置されるため、スペースが減ってしまう。エンジン車の写真も撮影できたので確認してほしい。    上野和秀

それにバックドアの内張り・内装に厚みがあるため、実質的な有効長はやや短くなる箇所があり、バックドアを閉める前によく確認してから積み込むことをオススメする。

またリアウインドウが寝ているので、ラゲッジ・シェルフを外してスーツケースを立てて積むときは、ガラスに当たる可能性がある。背の高いものは前方に積む必要があるので注意したい。

とはいえDセグメントのSUVとしては十分な収容力を備えている。そこに日本的な細やかな作り込みがなされ、使い易さという点では欧州SUVを超えていた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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