日産ジューク 1.0DiG-T DCTへ英国試乗 一新で実力向上 日本未導入の2代目

公開 : 2021.12.04 08:25

日本上陸は果たしていない、2代目ジューク。英国編集部がデュアルクラッチAT版を評価しました。

エンジンは1.0L 3気筒ターボガソリンのみ

2代目へモデルチェンジしたジュークは、欧州の日産ディーラーへ待望の活気を与えてくれたようだ。先代が売られていた2019年より、新型コロナウイルスの流行のなかで2代目が登場した2020年の方が、販売は好調だったほど。

初代日産ジュークは、コンパクト・クロスオーバーの代表的なモデルの1つだった。2代目では熟成度を増し、初代にも通じる特徴的なルックスと、上質なインテアリアを獲得している。

日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)
日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)

正直なところ、従来の日産ジュークはドライビング体験が素晴らしいとはいえなかった。操縦性はコンパクト・クロスオーバーとしてはシャープで、活発なパワートレインを備えていたが、乗り心地が目的には合致していなかったと思う。

しかし2代目の開発にあたり、エンジニア部門はデザイン部門と充分に協議を重ねたのだろう。的確な方法で優れた結果を残せるクルマへと、ジュークを煮詰めてきている。

英国で売られる2代目ジュークに搭載されるエンジンは、今のところ1機種のみ。1.0L 3気筒ターボガソリンで、最高出力は113psを発揮する。ディーゼルエンジンの投入予定はなく、ニスモ仕様も計画されていないようだ。

ニスモまでとはいわずとも、よりパワフルなガソリンエンジンを望む人は多いはず。ハイブリッド版が登場すればCO2の排出量を減らせ、メーカーとしての肩の荷も少しは軽くなるはずだ。

運転支援システムなど装備も充実

目下、ジュークに用意された選択肢といえば、トランスミッションとトリムグレードだけといえる。以前試乗したジュークに載っていた6速MTは、軽快で滑らかに変速でき、しっかりと決まる感触が心地良かった。

今回の試乗車は、7速デュアルクラッチAT(DCT)版。クラッチ操作が必要なくなるぶん、1500ポンド(約23万円)ほど英国価格は高くなる。

日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)
日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)

フォルクスワーゲンTクロスフォード・プーマなどのライバルも、DCTを採用している。トルクコンバーター式ATよりCO2の排出量で有利で、滑らかな変速も得られることから、このクラスでは近年の主流となっている。

トリムグレードは、テクナと呼ばれるもの。上位に位置し、エントリーグレードと5100ポンド(約78万円)の差がある。

このテクナには、見た目もカッコイイ19インチのアルミホイールに、ボーズ社製の8スピーカー・サウンドシステム、インテリアのアンビエントライト、シートヒーターなどが装備される。

運転支援システムも充実。360度カメラにドライバー監視、ブラインドスッポット・モニター、アダプティブ・クルーズコントロール、駐車支援と車線維持支援、移動物体検知などの機能が搭載される。

筆者が試した限り、駐車支援システムは良く機能し、アダプティブ・クルーズコントロールと車線維持支援システムも有用だった。フロントガラスのヒーターも備わり、ガラスが凍結するような寒い朝にはありがたい。価格上昇分の内容は備えていえるといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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