ブガッティ・シロン以上の不思議な訴求力

ピニンファリーナ・バッティスタをどう評価するべきなのか、正直悩ましい。既に完成度は高く、すべてのチューニングが完了したとしても、この印象が大きく変わることはないだろう。

ピニンファリーナ・バッティスタのカーボン製ボディは美しい。その内側のコンポーネントは、リマック・ネヴェーラと多くを共有している。

アルミ製サスペンション・サブフレームを備えるカーボン製タブ・シャシーは、基本的に同じものだ。リチウムイオン・バッテリーのレイアウトも、各タイヤに1基づつ配された、合計4基のリダクションギア付き永久磁石同期モーターも同じ。

フロント側のモーターは1基339psで、リアは611psあり、4基合計で1902psを発揮する。一度の充電で走れる後続距離は500km。急速充電能力は、最大250kWにまで対応するという。

1900馬力というパワーの、公道用モデルの意味とは何だろう。10万ポンド（1520万円）のレーシングカーでも内容が良ければ、もっと楽しい可能性はある。グランドツアラーとして、より魅力度に優れるモデルもなくはない。

一方で不思議なまでに高い訴求力を、バッティスタは備えてもいる。筆者の感覚では、ブガッティ・シロン以上に。ピニンファリーナというブランドによるところが、大きいのかもしれない。

ピニンファリーナ・バッティスタ（欧州仕様）のスペック

欧州価格：198万ユーロ（約2億5740万円）
全長：−
全幅：−
全高：−
最高速度：349km/h
0-100km/h加速：2.0秒以下
航続距離：500km
電費：−
CO2排出量：−
車両重量：2200kg
パワートレイン：クワッド永久磁石同期モーター
バッテリー：120kWh
最高出力：1902ps（システム総合）
最大トルク：240.2kg-m（システム総合）
ギアボックス：−

画像　ピニンファリーナ・バッティスタ　開発の進む純EVハイパーカーたち　全82枚