英新政権で初の予算案 燃料税の凍結期間延長、公共EV充電施設に1億ポンド投入 EV走行距離課税も2028年導入へ
公開 : 2026.11.04 17:05
英国のアンディ・バーナム政権下で初となる予算案が提示され、燃料税の凍結期間延長や公共のEV充電施設への資金投入などが明らかになりました。この予算案がドライバーに与える影響について紹介します。
ドライバーへの影響は?
英国のジョン・ヒーリー財務相は、アンディ・バーナム政権下で初となる秋季予算案を発表した。燃料価格の高騰に苦しむ自動車ドライバーの負担軽減を目的としたいくつかの措置が明らかになった。
特に注目すべきは、燃料税の凍結期間の延長であり、1Lあたり5ペンス(約10円)の減税措置を2027年7月まで維持するものだ。この措置は当初2026年12月31日に期限切れとなる予定だったが、燃料税の総額は今後、1Lあたり52.95ペンス(約111円)に据え置かれることになる。

ヒーリー財務相は、この決定は「中東の戦争が依然として燃料価格の高騰を招いている」ためだと述べた。
英国政府は、6月の2.6%から9月の3.5%への「インフレ率上昇の大部分」が、自動車用燃料価格の上昇によるものだと説明した。
燃料税の凍結期間延長
野党党首のケミ・ベイデノック氏は、燃料税が一時的に凍結されたことを「喜ばしい」としながらも、なぜその税率をより長く維持できないのかと疑問を呈した。
「わたし達(保守党)は14年間、燃料税を据え置いてきた。政府ならそれ以上のことができるはずだ」と彼女は語った。

自動車団体AAのエドマンド・キング会長は凍結について、引き上げが行われた際の「価格ショックを先送りするだけだ」と述べた。
キング氏はさらに、政府は「たとえ軽油だけでも、燃料税をさらに5ペンス引き下げることもできたはずだ」と付け加え、価格高騰による付加価値税(VAT)の増収で、歳入減を相殺できただろうと主張した。「燃料税の引き上げを先送りするのは、歓迎すべき小手先の策ではあるが、ドライバーにとっては何の恩恵にもならない」
英国王立自動車クラブ(RAC)の上級政策担当官ロッド・デニス氏は、「凍結は、すでに厳しい状況をさらに悪化させないだけのものであり、給油コストが安くなるわけではない。そして、燃料税がまさにこの措置下にあったにもかかわらず、この夏、ガソリンスタンドの価格が急騰したことを忘れてはならない」と述べた。
EV充電の負担軽減
ヒーリー財務相は、家庭用電気料金に対するVATの一時的な免除を2027年7月まで延長すると発表した。
この措置は直接的に自動車ドライバーを対象としたものではないが、自宅でEVやPHEVを充電できる人々は、結果として節約効果を得られる可能性がある。ただし、公共のEV充電器から供給される電力には、引き続き20%のVATが課される。

AAのキング会長は、これにより自宅で充電できる人とできない人との間の不公平が拡大すると指摘し、EVの普及を促進する「機会を逃した」と述べた。
政府は、公共充電器でも家庭用と同じVAT税率を適用することを検討しており、この問題について「タスクフォース設置に向けた即時の措置を講じている」と述べた。さらに、格差を縮めるため、「地域にある低出力の公共充電ポイント」での料金を引き下げるために1億ポンド(約210億円)を拠出すると付け加えた。
この資金は2会計年度に分けて配分され、5000万ポンドは2027-28年度に、残りの5000万ポンドは2028-29年度に支出される。
ロビー団体であるイングランドEV協会(EVA England)のCEO、ヴィッキー・エドモンズ氏は、1億ポンドの資金提供は「歓迎すべき」ものであるとしつつも、公共充電所の付加価値税引き下げに関して「政府から依然として動きが見られないのは残念だ」と述べた。
RACのデニス氏は、「公共充電の付加価値税を引き下げることは、より多くの人々にとってEVへの乗り替えを容易にするための明白な手段だったはずだ。しかし、政府は公共充電コストの見直しを経て、ドライバーが自宅での充電と同等のコストで低出力の公共充電器を利用できるようにする、別のアプローチを検討しているようだ。この件に関する詳細が明らかになるのを期待している」と述べた。


































