新型 レクサスNX 450h+ PHEV版へ英国試乗 GA-Kプラットフォーム獲得 

公開 : 2021.12.21 08:25

クラスベストのインフォテインメント

モデルチェンジで大幅に一新したのが、インテリア。レクサスがモノづくりへの姿勢を表す「匠」というデザイン思想の元で、ドライバー中心のレイアウトが与えられている。

ダッシュボード中央には、標準で9.8インチ、オプションで14.0インチとなるタッチモニターをレイアウト。メーター側から伸びるような造形のパネルに、エアコンなどの操作系が適切に集約されている。

レクサスNX 450h+(欧州仕様)
レクサスNX 450h+(欧州仕様)

新世代として評価したいのが、先代から3.6倍も高速化したというインフォテインメント・システムのソフトウエア。鮮明なインターフェイスとキビキビとした反応が、プレミアム感を確実に高めている。クラスベストのシステムへ、躍り出たと思う。

走りや乗り心地の面では、レクサス・ドライビング・シグネチャーという表現で、他ブランドとの違いを主張している。だが、NXの場合は充分に達成できていない印象を受けた。

サスペンションは、GA-Kプラットフォームの標準形式のままながら、強度や剛性は見直したという。開発ではレーシングドライバーへ協力を仰ぎ、動的能力に関する意見を反映させたとしている。

それが功を奏したのか、ステアリングには心地よい手応えが伝わり、意欲的にコーナーへアプローチしたいと思わせる。だがコーナリング中は、硬いサスペンションは少々落ち着きに欠け、早めのパワーオンではアンダーステアも隠さない様子。

ダイナミックな見た目のNXながら、ワインディングを積極的に走るタイプではない。上級クロスオーバーとして、そうである必要もないとは思うけれど。

先代以上の人気を得られる予感

とはいえ、レクサスを好む一般的なドライバーは、英国の管理の悪い舗装路の処理に感銘を受けるはず。路面のうねりでボディが揺さぶられることはなく、細かな凹凸は音もなく滑らかにサスペンションが吸収してくれる。

段差のある橋桁の継ぎ目などでは、ホイールやシートに僅かな衝撃が伝わる。でも、基本的に車内は平穏だ。

レクサスNX 450h+(欧州仕様)
レクサスNX 450h+(欧州仕様)

燃費は、91.0km/Lという甘い数字がカタログに載っている。試乗では丁寧に運転し、システムが効率よく電気モーターとガソリンエンジンを働かせられる状態を保ち、約16.0km/Lが得られた。

このサイズのSUVとしては、悪い数字ではない。EVモードで走れる距離は、カタログ値に近いようだ。

今回試乗したレクサスNX 450h+の英国価格は5万4800ポンド(約832万円)と安くはない。しかし装備は充実し、ライバルモデルと比べても遜色ない。NXに乗る時間が長くなるほど、その金額にもうなずけると思う。

現代的に再設計が施された、2代目NX。プラットフォームを共有するRAV4との差別化も明確で、レクサスらしい個性と優れた動的能力を獲得している。

バージョンアップしたインフォテインメント・システムも優秀だし、選択肢としてPHEVも追加された。2代目レクサスNXは、先代以上の人気を得られるのではないだろうか。

レクサスNX 450h+(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万4800ポンド(約832万円)
全長:4660mm
全幅:1865mm
全高:1640mm
最高速度:−
0-100km/h加速:6.3秒
燃費:91.0km/L
CO2排出量:−
車両重量:2010kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+ツインAC同期モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:18.1kWh
最高出力:309ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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