今度のモデューロXは「新型ヴェゼル」? ホンダアクセス、東京オートサロン2022で披露

公開 : 2022.01.14 09:06  更新 : 2022.01.15 02:51

東京オートサロン開幕! ホンダブースでは、新型ヴェゼルの「モデューロX」コンセプトが登場。開発陣に話を伺ってきました。

モデューロX 8作目はヴェゼルか

ホンダアクセスが手掛ける新型コンプリートカー「ヴェゼルe:HEVモデューロX」のコンセプトカーが披露された。

東京オートサロン2022の会場で展示されている。

ホンダ・ヴェゼルe:HEVモデューロXコンセプト
ホンダ・ヴェゼルe:HEVモデューロXコンセプト    上野和秀

何よりの特徴は、見た目だけのモデルでないこと。

テストを重ねて練り上げた足まわり、空力を考慮してデザインされたボディパーツの効果が、「見て乗って実感できる」ことにモデューロXの魅力がある。

その名は、ホンダ車を知り尽くしたエンジニアが“匠の技”で熟成させた純正コンプリートカーのみに与えられるのだ。

その最新作に新型ヴェゼルが選ばれた。

実効空力 開発は実走、また実走

「ヴェゼルe:HEVモデューロXコンセプト」の開発テーマの1つが「実効空力」だ。

これは、日常の速度でも体感できる空力効果のこと。風を味方につけ、走行安定性を高める空力処理を意味する。

横方向に一本走るエアロフィンも、実行空力のデバイス。これ以外にもエアロスロープ、エアロボトムフィンも空力開発の成果だ。ボトムフィンはボディデザインとのマッチングもこだわった。
横方向に一本走るエアロフィンも、実行空力のデバイス。これ以外にもエアロスロープ、エアロボトムフィンも空力開発の成果だ。ボトムフィンはボディデザインとのマッチングもこだわった。    上野和秀

エアロダイナミクスを高めるには大きなウイングなどが必要に思えるが、モデューロXではボディの基本形状を大きく変えずに、「流気を整える」造形によりクルマの動きを安定させる。

本モデルの開発に際しては、これまでのモデューロXと異なるアプローチがあった。

かつてないほど実走テストに重点を置いており、開発当初のフロントエアロバンパーが日々形を変えていった記録からもそれは明らか。

走行テストの担当者とともに、スタイリング担当、さらに設計担当までがステアリングを握り、従来以上に実走を繰り返しながら空力パーツの形状・位置を突き詰めたという。

テストコースの走行を大幅に増やし、走って感じたことをデザイン担当者が形に反映させては、再び走行、それをまた改修する流れを繰り返す。

1cmの攻防 フロントのポイントは?

意のままの走りを達成するには、前後のリフトバランスが決め手と話すホンダアクセス開発陣は、こうして鍛えた実効空力とともに、専用に開発された足まわりを組み込んでいる。

接地荷重を“4輪へ均等に配分”でき、外乱に強くヨーの発生を抑えてスタビリティを高めているのだ。

ホンダ・ヴェゼルe:HEVモデューロXコンセプト
ホンダ・ヴェゼルe:HEVモデューロXコンセプト    上野和秀

こうしてできたエクステリアで目を惹くのが、ロングノーズ化されたフード先端形状。そこにXをモチーフにしたブラックのグリルを組み合わせ精悍な印象を放つ。

フロント部分の実効空力デバイスとしては、バンパー横に付くコブ状のエアロフィン、フロアへ流気を導くエアロスロープとエアロボトムフィン、リップスポイラーがポイント。

エアロフィンは形状と取付け位置(1cm移動するだけで効果が変わるという)を実走テストで決定。前輪まわりの流気を整え、ホイールアーチ内の渦流を排出させて直進性を高める。

リアセクションと内装についても開発は進んでいる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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