【これが『実行空力』か!】新型プレリュードのホンダアクセス装着モデルに黒木美珠が試乗

公開 : 2025.11.06 12:05

ホンダアクセスが主催した『新旧プレリュード純正アクセサリー装着車試乗取材会』に、自動車ジャーナリスト(修行中)の黒木美珠が参加。『実行空力』の思想を体感できた貴重な1日を振り返ります。

ホンダアクセスとの出会いと『実行空力』の理解

ホンダアクセス主催の『新旧プレリュード純正アクセサリー装着車試乗取材会』に参加してきました。

そもそも、私が初めて自分の新車として選んだのは、ホンダ・ヴェゼル。そのときに装着したブラックのエンブレムやモデューロ・パーツが、私にとってホンダアクセスとの最初の出会いです。

新型プレリュード・スポーツ・スタイルは軽やかで上質、そして穏やかにスポーティです。
新型プレリュード・スポーツ・スタイルは軽やかで上質、そして穏やかにスポーティです。    黒木美珠

純正ならではの品質と信頼性、そしてデザイン性と実用性を兼ね備えたアイテムは、今も印象に残っています。クルマの魅力をさりげなく引き立てながら、安心して使える。その体験があったからこそ、私はホンダアクセスという会社に特別な思い入れを抱いています。

そして今年初め、ホンダアクセス主催の『実行空力体験試乗会』に招いていただいたことで、その思いはさらに深まりました。

そこでは、ホンダアクセスがどのように誕生し、どのような経緯でこの言葉を掲げるようになったのかを学びました。さらに、DIY体験を通じてその思想を体感。クルマの走りを『空気の流れ』で支えるという発想を、実際に自分の手で触れながら感じた時間でした。

この考えが本格的に採用されたのは2008年、シビックタイプR向けのエアロパーツ開発においてのことだそうです。前後のリフトバランスを最適化することで、4輪すべてのタイヤとサスペンションの性能を最大限に引き出す。見た目の美しさの裏に、確かな空力理論が息づく、この思想こそが、ホンダアクセスのものづくりを支え続けています。

歴代プレリュードとホンダアクセスの挑戦

今回の主題であるホンダ・プレリュードは、ホンダアクセスの開発史でも特に深い関わりを持つモデルです。

1982年の2代目で、同社は初めてデザイン性を目的とした純正アクセサリー『リアスポイラー』を設定。当時は実用性重視が主流だっただけに、スタイルアップを意識した純正パーツは革新的でした。

DIY体験を通じて、『実行空力』の思想を体感。目には見えない空気の流れがしっかりわかりました。
DIY体験を通じて、『実行空力』の思想を体感。目には見えない空気の流れがしっかりわかりました。    黒木美珠

続く1987年の3代目では『トランクスポイラー』が大ヒット。空力を考慮した造形とLEDハイマウントストップランプを純正で初採用し、機能とデザインを兼ね備えた画期的なアイテムとなりました。

1991年登場の4代目では、先代で大ヒットしたトランクスポイラーは定番化。パーキングセンサーやハンズフリーステレオなど、当時としては先進的な純正用品も続々登場しました。

そして1996年の5代目プレリュード。初のエアロパーツ設定をはじめ、ローダウンサスペンションやインチアップアルミなど、初ものづくしの純正アクセサリーを展開します。

フロントやサイド単体でも空力効果を発揮できるよう風洞実験とテストを重ね、リフトバランスを崩さず走行安定性を高める設計を実現。これが、のちに体系化される『実行空力』思想の原点です。

そして、その理念を受け継ぐのが、今回試乗した純正アクセサリー装着モデルの新型プレリュード・スポーツ・スタイル。

24年ぶりに復活した6代目プレリュードは、ホンダ独自の電動化技術『S+シフト』を搭載し、電動化時代に新風を吹き込むスペシャリティスポーツとして登場しました。そこにホンダアクセスが手掛ける純正アクセサリーが加わることで、より洗練されたスタイルへと昇華しています。

具体的には、フロントロアスカート、グリルモールディング、ブラックエンブレムがフロントマスクを引き締め、サイドにはドアバイザーやマッドガード、足もとには19インチアルミホイールとセンターキャップを装着。さらにドアハンドルプロテクターとテールゲートスポイラーを組み合わせ、実用性と空力性能を両立させています。

特にフロントロアスカートとテールゲートスポイラーは、5代目で確立された『リフトバランスを整える』という思想を継承し、さりげなくドレスアップしながらも機能を追求するという、純正クオリティの真髄といえる仕様です。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。

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