B4レベルの防弾性能

米国のアドアーマー（AddArmor）社は、不安定な状況下で使用する防弾仕様のアストンマーティン・ヴァンテージを発表した。

カリフォルニアに拠点を置く同社は、これまでにフェラーリ458スペチアーレやアウディRS7などの防弾車両を製造してきたが、今回はヴァンテージに「B4」レベルの装甲を施している。

具体的には、ファイアウォールとドアが強化され、ルーフと燃料タンクは耐爆構造の硬化鋼層で保護されている。また、強力な.44マグナム弾に耐えうる防弾ガラスで乗員を保護し、ドアハンドルは電撃により車外からの侵入を防ぐことができる。ランフラットタイヤは、弾丸が当たっても走行を継続することが可能だ。

外観上の違いは極めて少ない。外から見てわかるのは、異物混入を防ぐためにメッシュで覆われたエグゾーストだけだ。

重量増を抑え走行性能を維持

装甲には軽量化のためにケブラーを主に使用し、1630kgの車両重量に約204kgが加わっている。サスペンションは重量増に対応するために強化された。

パワートレインは変わらず、4.0L V8ツインターボが搭載され、最高出力542psを発生する。標準のヴァンテージは0-100km/h加速3.6秒、最高速度314km/hに達するが、装甲の重量増加により若干遅くなると思われる。

アドアーマーのピート・ブレイバーCEOは次のように述べている。

「このヴァンテージに当社の軽量アーマーを組み込むことは、我々にとって最も重要なことでした。なぜなら、公道での危険な状況において、スピードは非常に貴重な資産だからです」

装甲の価格は3万2500ドル（約400万円）からで、ヴァンテージを含めた総価格は17万1500ドル（約2100万円）となっている。

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