日野、排ガス&燃費不正で国交省などへ調査結果報告 現行エンジンの大半で不正 過去の虚偽報告も

公開 : 2022.08.03 05:25  更新 : 2022.09.26 14:39

日野は、排ガス&燃費性能試験不正に関し、国交省などへ調査結果報告をおこなった。現行エンジンの12機種で不正が判明。

生産終了エンジンでも不正

日野は、2022年8月2日、同社における排出ガス・燃費性能試験における不正行為について国土交通省や経済産業省などへ調査結果の報告おこなった。

国土交通省などは、2022年3月4日に報告があったもの以外にも、過去に生産していたものを含めトラック・バス用エンジン、および建設機械など向けのエンジンについて型式指定申請時に不正行為などがあった旨、一部は排出ガス基準や燃費のカタログ値を満たしていない旨の報告があったと公表。

現在、大型トラック「プロフィア」などの生産を停止している。
現在、大型トラック「プロフィア」などの生産を停止している。    日野

日野の特別調査委員会の調査などにより、現行生産エンジン14機種のうち12機種について、排出ガス長距離耐久試験にかかる不正がおこなわれたことが判明。現行生産エンジンのうち4機種(うち建設機械など用3機種)は基準不適合、うち8機種(うち建設機械など用4機種)は基準適合だった。

また、生産終了エンジンについても、燃費性能については、4機種がカタログ値に未達、5機種がカタログ値は達成が判明。排出ガス性能の基準適合性は、多くの機種を対象に調査を継続中という。

さらに、平成28年4月の国土交通省による排出ガス・燃費試験の実態に関する報告徴収に対し、問題ないとした報告は虚偽だったことも報告された。

なお、日野は、基準不適合が判明したエンジン、およびそれを搭載した車両の生産を自主的に停止。同社は、特別調査委員会の調査結果、および提言を踏まえ再発防止策を徹底することも報告された。

国土交通省は、報告を受け基準不適合のエンジンを搭載した使用過程車に関し速やかにリコールをおこなうよう、また、自動車のユーザーや建設機械などメーカーへの丁寧な説明や対応に努めるよう指導。

あわせて基準に適合しているエンジンでも、不正が判明したものについて出荷を停止することを含め指導をおこなった。

国土交通省は、道路運送車両法のもと日野に対してさらなる調査を実施し、その結果に基づき厳正に対処するという。

国土交通省は、この件に関して「型式指定申請において不正をおこなうことは、自動車、および建設機械などのユーザーの信頼を損ないかつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、今回さらなる不正行為が明らかになったことは極めて遺憾です」とコメントした。

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    AUTOCAR JAPAN

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