新型トヨタ・シエンタ話題 小さな「3列7人乗り」 誰のためのクルマ?

公開 : 2022.08.27 05:45

「3列目」は重要ではない?

そんなユーザーに刺さったのが、コンパクトカーと同じ感覚で運転することができる小さなボディサイズと、いざという時にプラス2名を合法的に載せることができる3列シートというワケだったのだ。

よくよくカタログを見てみると、3列目シートの紹介はなされているものの、他のミニバンのように3列すべての座席に人が座って笑顔でドライブしている、というような定番のカットは用意されておらず、暗にエマージェンシー用シートであることを物語っている。

3列目は2列目シートの下に収納する
3列目は2列目シートの下に収納する    トヨタ

それにシエンタの3列目シートを格納するためには一旦セカンドシートを前に回転させ、そこにできたスペースに3列目シートをダイブダウンさせるというもので、ひんぱんに出し入れする用途には不向きとなっているのだが、そもそもエマージェンシー用のシートという位置づけであるために誰も不満を覚えることがないのである。

つまり、シエンタを選ぶユーザーは、それまで乗ってきた軽自動車やコンパクトカーと大差ないサイズ感でありながら、いざという時に2人が座れる3列目シートや、3列目シートを格納したときに生まれる広い荷室スペースを魅力的に感じて購入しているということになり、そういったユーザーからしてみればシエンタも十分に「大は小を兼ねる」クルマとなっているといえるのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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