ラジコン版フォルクスワーゲンID.バズ 女子ユーロ2022のティニー・バズを試運転

公開 : 2022.09.24 08:25  更新 : 2022.09.26 15:19

操縦しやすいリモコン サスは独立懸架式

筆者の息子はタミヤのラジコンカーのオーナーだが、静止状態からの加速力には毎回驚かされる。ティニー・バズが同様の加速を披露したら、ピッチ上は大騒ぎになっただろう。選手の足にぶつかれば、負傷者も出しかねない。

ティニー・バズは、遥かに加速力の調整がしやすい。ゆっくりスピードを上げていき、走行中のコーナリングも尖すぎない。

フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)

操縦に慣れた頃、フォワードのクーパーとドラッグレースを試みた。最初の20mは彼女の方が速かったが、30mを過ぎる頃には追いつくことができた。足首の負傷で、力を温存していたのかもしれない。

ラジコンを操縦するリモコン、プロポには前進と後退を制御するトリガーと、左右に向きを変える丸いホイールがついている。滑らかに操作でき、適度に敏感。コーナリングもさせやすい。

プロポはオン・オフのスイッチではなく、徐々にスピードを高めていったり、フロントタイヤの舵角を増やしていける。ただし、操縦者へ向けて走らせる場合は注意が必要。左右が逆転し、頭が混乱する。

小回りは効かない。これ以上に急旋回できると、ボディが大きく傾いて倒れてしまう可能性がある。現状でも、コーナリング時は小さくないボディロールが生じる。挙動が乱れることはなかったが。

選手権試合が開かれるスタジアムのピッチが激しく荒れているとは想像しにくいが、ティニー・バズの独立懸架式サスペンションは、路面の不整を巧みに処理してくれる様子。終始安定した走りが、それを示していた。

女子サッカーの認知度上昇をアシスト

今回協力してくれたクーパーは、英国の女子サッカーが良い方向に転がっていると話していた。彼女はミルトン・キーンズ・ドンズ・チームの選手だが、クラブの運営にも関わっている。

女子ユーロの開催以降、クラブの認知度も大幅に向上したという。試合内容が良くなるほど、商業的な運営も良くなるらしい。

フォルクスワーゲン・ティニー・バズとミルトン・キーンズ・ドンズ・チームのモリー・クーパー氏
フォルクスワーゲン・ティニー・バズとミルトン・キーンズ・ドンズ・チームのモリー・クーパー氏

フォルクスワーゲン・ティニー・バズが、ソーシャルメディアで認知度向上の一端を担っていることは間違いない。クルマ好きの読者にも、こうしてお伝えできるのだから。

フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)のスペック

英国価格:−
全長:約940mm(予想)
全幅:約400mm(予想)
全高:約390mm(予想)
最高速度:96km/h(1/5スケール換算)
0-100km/h加速:2.0秒(1/5スケール換算)
航続距離:16km(1/5スケール換算)
電費:5.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:電気モーター
駆動用バッテリー:0.93kWh
最高出力:−
最大トルク:−
ギアボックス:シングルスピード

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ウィル・ウイリアムズ

    Will Williams

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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