ラジコン版フォルクスワーゲンID.バズ 女子ユーロ2022のティニー・バズを試運転

公開 : 2022.09.24 08:25  更新 : 2022.09.26 15:19

2022年の女子サッカー欧州選手権は見事イングランドが優勝。試合で活躍した小さなID.バズを、英国編集部が運転しました。

サッカーボールを運ぶラジコンカー

AUTOCARの読者にも、サッカーファンだという方はいらっしゃると思う。2022年の女子サッカー欧州選手権(女子ユーロ2022)は、英国人にとって素晴らしいイベントになった。トラブルもなく、見事イングランドが優勝したのだから。

準決勝では、ヒールキックでゴールを決めたスター選手も誕生した。しかし、ソーシャルメディアでは別の小さな助っ人でも盛り上がっている。カラフルに塗られたフォルクスワーゲンだ。

フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)

ティニー・バズと名付けられたサッカーボールを運ぶラジコンカーは、7月6日のオールド・トラッフォード・スタジアムでデビュー。3週間後にロンドンの北西にあるウェンブリー・スタジアムで開催された決勝戦でも、見事な活躍を披露した。

選手権の開催中、ティックトックへ投稿された動画は1760万回以上の視聴数を記録。ツイッター上でも相当盛り上がっているらしい。

とはいえ、サッカーには興味がないという自動車ファンもいらっしゃるはず。そこで英国編集部は、フォルクスワーゲン・ティニー・バズの活躍を知ってもらうため、ピッチ上で運転してみることにした。

ルーフが丸く切り取られ、キックオフ時にサッカーボールを運ぶことを目的に作られている。構造は至って単純だが、世界に2台しかない貴重なクルマだ。

重量バランスの良いシャシーに四輪駆動

運転させてもらったのは、ミルトン・キーンズ・ドンズ・チームの練習用グラウンド。その女子チームでフォワードを任される、モリー・クーパー氏にも動的能力を確認してもらうためにご同席願った。

彼女と一緒なら映える写真も撮れるし、サッカーボールに不慣れな筆者をアシストしてくれるかもしれない。表情が若干硬かったのは、最近足首を負傷し休養中だからだろう。

フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ティニー・バズ(欧州仕様)

まずはティニー・バズのスペックを確認していこう。ザックリいうなら、プラスティック製のボディでシャシーが覆われた、リモートで動くバッテリーEV(BEV)だ。電圧11.1Vの駆動用バッテリーが2基、低い位置に搭載されている。

シャシー中央に駆動用モーターが搭載され、前後のタイヤへパワーが伝達される四輪駆動。タイヤは芝生に合わせて、大きなブロックパターンのオフロード用を履く。本物のフォルクスワーゲンID.バズにも似合いそうに思う。

最大の特徴といえるのが、直径約220mmのサッカーボールを収容するケージ。ドイツの技術者によって、巧みな加工が施されている。公式ボールがピタリとハマり、シャシー中央には不慣れな人が持ち上げる場合に備えて、オレンジ色のラインが引かれている。

ライン部分を持つと、ちょうど重心でID.バズを持てる。前後の重量配分は、50:50へ近い。サスペンションのストロークも長く、重量バランスの良さと四輪駆動であることを考えれば、操縦性に優れることは想像できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ウィル・ウイリアムズ

    Will Williams

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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