ベントレー・ベンテイガxランドローバー・レンジローバー 英国ラグジュアリーSUV比較 前編

公開 : 2022.09.24 09:45

どちらも高級感の漂うインテリア

ベントレーベンテイガは、既に発売から数年が経過している。現代的な機能のなかに、若干前世代的な要素が組み合わされている。インテリアを観察すればプラスティック製のスイッチ類も発見できるが、高級感に溢れている。

時間を掛けて細部へ目を配ると、フォルクスワーゲン・グループに属する製品だということも見えてくる。ステアリングコラムから伸びるレバーやドアミラーの調整パネルは、アウディの車内でも見覚えがある。

ベントレー・ベンテイガ S(英国仕様)
ベントレー・ベンテイガ S(英国仕様)

レンジローバーのインテリアと比べて、高級に感じる部分は多い。反面、そうではない部分も混在する。

ベンテイガから乗り換えると、レンジローバーの車内はより量産車的。とはいえ、ステアリングコラムに配された金属の部品や、レーザーの柔らかいシート、ウッドパネルなど不足はまったくない。モダンなハイテク感も漂っている。

少々タッチモニターへ依存し過ぎかもしれない。機能を最新の状態に保ち、グラフィカルなメニューを表示できるという点では優れている。製造コストも落とせる。だが、操作性という点では満たされない。

レンジローバーから乗り換えない限り、タッチモニターによるインターフェイスは悪くない。アップデートが進んでおり、アウディ由来となるベントレーのシステムより反応は素早い。表示も鮮明だ。

しかし、エアコンの送風位置やシートの角度の調整も、味気ないモニターを介する必要がある。細かい加工が施された、ベントレーのノブやボタンに触れた方が特別感は高い。

他車を見下ろしながら路上を滑空するよう

長年に渡ってレンジローバーを培ってきた、長所は受け継いでいる。テールゲートは電動で上下に分割して開き、ピクニック・ベンチになる。ドライビングポジションも素晴らしい。大きいガラスエリアと高い着座位置による、広々とした視界も変わらない。

ベントレーも同様に目線の位置が高くコマンドポジションへ近いものの、ウエストラインも高く、ダッシュボードが大きい。並べてみると、インテリアに包まれている印象の方が強い。

ランドローバー・レンジローバー P530 ファーストエディション(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー P530 ファーストエディション(英国仕様)

どちらも、美しいキャビンがしなやかなエアサスペンションに支えられ、他車を見下ろしながら路上を滑空しているような、独特で圧倒的な優越感へ浸れる。魅力以外の何物でもないだろう。

そしてボディサイズは巨大。狭い市街地へ紛れ込むと、高級住宅街の一角のような景色になる。だが、塗装に傷をつけそうな生け垣の剪定された枝が、すぐ横へ迫る。駐車場所も必然的に選ぶ。

今回はコベントリーとクルーの中間付近にある、シュロップシャーという小さな街で取材することにした。広々とした片側2車線の道路もあるとはいえ、レンジローバーには後輪操舵システムが備わり、狭い道でも取り回しはしやすい。

リアタイヤは最大7度まで向きを変え、最小回転直径は11.4m。実に、プジョー308と同じくらい小回りがきく。大型ラグジュアリーSUVの概念を変えるといってもいい。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ベントレー・ベンテイガxランドローバー・レンジローバー 英国ラグジュアリーSUV比較の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事