ベントレー・ベンテイガxランドローバー・レンジローバー 英国ラグジュアリーSUV比較 前編

公開 : 2022.09.24 09:45

さらに上級志向となった新型レンジローバー。直接的なライバルになったベンテイガと、英国編集部が乗り比べしました。

上級志向を目指したレンジローバー

AUTOCARでランドローバー・レンジローバーとベントレーベンテイガを乗り比べするのは、今回で3回目。だが今回は、これまで以上に重要な比較となる。5代目となる新型レンジローバーは大幅に価格帯が上昇し、ベンテイガの領域に迫ったためだ。

ジャガー・ランドローバー社として同グループに属するブランド、ジャガーは、ラグジュアリーサルーンだったXJの後継モデルを準備しなかった。そのため、ランドローバーのフラッグシップモデル、レンジローバーはより上級志向を目指すことになった。

ダークグリーンのベントレー・ベンテイガ Sと、ゴールドのランドローバー・レンジローバー P530 ファーストエディション
ダークグリーンのベントレー・ベンテイガ Sと、ゴールドのランドローバー・レンジローバー P530 ファーストエディション

さかのぼれば、繁華街も堂々と走れるオフローダーとして開発されたランドローバーだったが、今ではオフロードも走れる超高級SUVへ進化した。そこで条件を揃えるべく、V型8気筒エンジンを搭載したモデルを揃えてみた。

グレートブリテン島の中部、コベントリーを拠点とするランドローバーからは、レンジローバー P530 ファーストエディション。トップグレードのオートバイオグラフィーに匹敵する内容が与えられている。

搭載するV8エンジンは、BMW譲りの4.4Lツインターボ・ガソリン。ジャガー由来だった、伝統のスーパーチャージド・ユニットからの交代となる。新型としては唯一、まったく電動化技術を搭載しないが、英国を代表するSUVとの相性はいがだろう。

あらゆるシーンが想定される高級SUV

グレートブリテン島の中西部、クルーに拠点を置くベントレーからは、ベンテイガ Sをお借りした。エンジンは4.0LのV8ツインターボで、最高出力549psを発揮するのは通常のベンテイガと変わらない。

この「S」では、スポーティなサスペンションとエグゾーストが与えられ、インテリアもアルカンターラで仕立てられる。ボディキットも専用品をまとう。

ダークグリーンのベントレー・ベンテイガ Sと、ゴールドのランドローバー・レンジローバー P530 ファーストエディション
ダークグリーンのベントレー・ベンテイガ Sと、ゴールドのランドローバー・レンジローバー P530 ファーストエディション

オーダーメイドに近い注文が可能なベントレーには、トリムグレードのような設定はない。それでも試乗車には、一連のオプションメニューが追加されていた。

ネイム社製のオーディオ・システムは、6725ポンド(約111万円)。ナイトビジョンにヘッドアップ・ディスプレイ、運転支援システムなどがセットになった、ツーリング・スペシフィケーションが6480ポンド(約104万円)なり。

このクラスのSUVとなると、あらゆるシーンを想定しなければならない。日々の通勤や送迎だけでなく、家族での週末レジャーや休暇の長距離旅行など、オンロードもオフロードも平然とこなす必要がある。ユーザーによっては、運転手を雇う人もいるはず。

柔らかいレザーシートにツヤツヤのウッドパネル、心地良いエアコンの制御に至るまで、秀でた快適性は不可欠。それでいて、渋滞気味の市街地を抜けたり、流れの速い郊外の道を散策するのに、優れた使い勝手も必要といえる。その仕上がりを比較していこう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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