輝きを増すマイチェン BMW 3シリーズ M340i xドライブへ試乗 3.0L直6ターボ継続 前編

公開 : 2022.09.26 08:25

BMWの主力車種、3シリーズがモデル中期のマイナーチェンジ。成功作の輝きは一層増したと、英国編集部は評価します。

歴代の3シリーズで最も多売のG20型

現行のG20型は、歴代のBMW 3シリーズで最も多くの数が売れている。2019年に発売されて以降、これまで110万台がラインオフしたという。COVID-19の流行やウクライナ危機など、多くの課題が連発したここ数年の世界にあって、驚くべき結果といえる。

もちろん、その完成度は素晴らしかった。以前に実施したAUTOCARの詳細データテストでも、満点といえる成績を残している。

BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)
BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)

というわけで、G20型の3シリーズはモデル中期のマイナーチェンジを受けたわけだが、BMWが控えめな内容に留めた理由は理解できる。成功作のバランスを、あえて崩す必要はない。

ヘッドライトはスリムな形状に一新され、キドニーグリルにはハニカム状のメッシュが与えられているものの、全体的なデザインに大きな変化はない。グリル自体が過度に大型化されることもなかった。

Mスポーツ・グレードを選択すると、フロントバンパーの両サイドに新形状のエアインテークが追加され、ワイド感を強める。往年の、鼻先が逆スラントで尖っていたスタイリングを彷彿とすると、BMWは主張している。

ちなみに今回のフェイスリフトでは、フォグライトが装備から外されている。オプションでも選べないという。

ダッシュボードで目を引く2連モニター

英国へ導入されるトリムグレードは、スポーツとMスポーツの2種類。エントリーグレードのスポーツでも、3ゾーン・エアコンにヒーター内臓のレザー・スポーツシート、ワイドな2連モニターなどが装備される。

キーレスエントリーやワイヤレス・スマートフォン充電機能、電動シートなどは英国ではオプション扱い。アダプティブダンパーは、Mスポーツのみで選択できる。パッケージオプションも多いから、コンフィギュレーターで時間を掛けて悩みたい。

BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)
BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)

今回のマイナーチェンジで1番目を引くのは、先出の2連モニターだろう。ドライバーの正面に12.3インチのメーター用が、その隣には14.9インチ・タッチタイプのインフォテイメント用が、1枚のパネルに組み込まれている。

最新のアウディA4メルセデス・ベンツCクラスに並ぶ、ハイテクなダッシュボードを獲得したといえる。稼働するソフトウェアはiドライブ・バージョン8で、バッテリーEVのiXから実装が始まっている最新版だ。

その結果、実際に押せるハードボタンの数は大幅に少なくなった。スッキリした車内の印象は、センターコンソールの小さなスイッチ状シフトセレクターによって、さらに強調されている。

エアコンのインターフェイスも、遂にタッチモニターへ集約された。温度調整のメニューはモニター下部に常時表示され、運転中でも比較的簡単に触れることができるけれど。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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