ポルシェ・タイカンでグランドツアー 航続距離505km 24時間で何か国回れる? 前編

公開 : 2022.11.05 09:45

オランダ→ベルギー→ルクセンブルク→フランス

うれしいことに、オランダ・アイスデンからベルギーの国境通過までは5分もかからない。16時丁度に出発して、ベルギーには16時3分に入国していた。

クルーズコントロールの速度を、この国に合わせた120km/hへ設定。そのまま3番目の国、南のルクセンブルクまで何事もなく到達できた。

ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)
ポルシェタイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)

ルクセンブルクはベルギーの10分の1程度の面積という小ささで、隣国で働いている国民も多い。朝晩のラッシュアワー時には、職場や自宅へ向かうクルマで国境を超える道は渋滞する。筆者も予想外の混雑に、20分ほど巻き込まれてしまった。

細かく予定時間を組んでいるため、この遅れは少々痛い。最初の充電ポイント、フランスのオーコンクールに到着すると、慌てるように充電ケーブルをタイカンとつないだ。

5台同時に充電できる場所だったが、空いていたのは1か所のみ。既にフランスでも、少なくないBEVが走っている。利用できた充電速度は、最大で70kWだった。

75%までの回復に要した時間は45分。想定していたより効率が悪く、より速く走れるアウトバーンと急速充電器を求めて、ドイツへ急ぐことにした。

フランス→ドイツ→スイス

タイカンが算出する航続距離は非常に正確で、巡航速度を高める自信を与えてくれる。フランスとドイツの国境、ライン川を21時1分に通過。速度制限付きの高速道路から、速度制限のないアウトバーンへ足を進める。

さも平然と、スピードメーターは238km/hを表示してみせた。タイカンのカタログに載っている最高速度より8km/h高いが、まったく問題はないようだ。

ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)
ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)

ドイツ南西部、マールベルクという町に立ち寄り充電。フランス・オーコンクールとは異なり、4基ある充電器はすべて空いていた。充電速度は250kWで、最大値ではないもののフランスより数倍速い。

駆動用バッテリーは30分後に90%まで回復。筆者もコーヒーと肉肉しい軽食でお腹を満たし、6番目の国、スイスに向けてタイカンを発進させた。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニール・ウィン

    Neil Winn

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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