ブランドの歴史の一部を所有する アストン マーティン DB11 V8かV12か 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.11.27 08:25

アストンの歴史の一部を手中に収める

まだ現行モデルということもあり、中古車価格はお高い。英国の場合、初期のV12やV8でも8万3000ポンド(約1377万円)以上はするようだ。AMRになると、11万ポンド(約1826万円)はくだらない。

それでも、ライバルといえる現行型のベントレー・コンチネンタルGTの中古車は12万ポンド(約1992万円)程度からだから、お手頃感がないわけではない。新車のDB11なら、最低でも15万ポンド(約2490万円)用意できなければ注文は難しい。

アストン マーティン DB11(2016〜2019年/英国仕様)
アストン マーティン DB11(2016〜2019年/英国仕様)

この価格帯のグランドツアラーで比較すれば、ラグジュアリーさやドライバーへの訴求力で、極めて高い競争力を持つのがDB11だ。そこには、アストン マーティンの長い歴史の一部を手中に収めるという、特別な価値も含まれている。

トリムグレードとスペック

DB11の場合、選ぶべきトリムグレードで悩む必要はない。そもそも装備が充実しており、トリムグレード自体が存在しない。

ヒーター内臓のレザーシートやエアコン、キーレスエントリーなどはもちろん標準。他にもクルーズコントロールにパーキングセンサー、駐車時の360度モニター機能など、思い当たる装備はすべて付いていると考えていい。

アストン マーティン DB11 V8(欧州仕様)
アストン マーティン DB11 V8(欧州仕様)

ただし、2018年にコンバーチブルのヴォランテが追加されている。オープンエアでDB11を楽しみたいのなら、V型12気筒エンジンを選ぶことはできない。V8エンジンのみの設定になっている。

知っておくべきこと

メルセデス・ベンツ由来となっているのは、V8ツインターボ・エンジンだけではない。親会社のダイムラーとアストン マーティンによる協力関係のもと、様々なコンポーネントが共有されている。

インフォテインメント・システムは、独自のグラフィックが与えられているが、中身はメルセデス製。電動機械式のパワーステアリングや、マルチリンク式のリア・サスペンション、ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能なども同様だ。

アストン マーティン DB11 V8(欧州仕様)
アストン マーティン DB11 V8(欧州仕様)

購入時に気をつけたいポイント

燃費

4.0LのV8ツインターボも5.2LのV12ツインターボも、容赦なくガソリンを燃やす。WLTP値では、V12の平均燃費は7.5km/Lがうたわれている。V8の方は8.8km/Lだが、なかなか届きにくい数字だ。

電気系統

インテリアの製造品質は、過去にないほど高い。内装の部品が走行中に外れるというようなことは、ないといえる。ただし英国の場合は、ナビやエアコンの不具合を経験しているオーナーもいるようだ。

アストン マーティン DB11 V8(欧州仕様)
アストン マーティン DB11 V8(欧州仕様)

英国編集部の推しチョイス

ベスト:DB11 V8

最もお手頃に購入できるDB11で、ランニングコストも抑えられる。もっとも、この価格帯のモデルを購入できるドライバーの場合、あまり気にするポイントではないかもしれないけれど。

操縦性はV12より優れている。多くの注目を集めるアストン マーティンだということに、変わりはない。

ワイルドカード:DB11 AMR

アストン マーティン DB11 AMR(英国仕様)
アストン マーティン DB11 AMR(英国仕様)

中古車でもかなりの高額となるが、選ぶなら1番、を求めるならコレ。コーナリング性能に息を呑みつつ、高速道路ではV12が生み出す余力でエレガントに疾走できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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