15mm車高を上げするために、スプリングをはじめ、ショックやスタビライザーを別のものに置き換えているが、ハンドリングにはさほど影響していない。また標準グレードのアダムに比べてリアがワイドになっている分、コーナリング時はよりフラットな姿勢で路面を掴み続けた。

しかしステアリング中立付近でのフィードバックの希薄さは相変わらず。苛立たせたり嵌入的なわけではないけれど、ぶしつけな乗り心地も改善の余地があると感じた。

■「買い」か?

まず第一にエンジンの出来のよさを推す。そしてその次に、クロスオーバーらしいルックスを推す。

最もベーシックな£13,500(232万円)のアダム・ジャムにも同じエンジンを載せれば、一気にフィアット500ツインエアやシトロエンDS3のライバルになり得るはずだ。

そうなった際に、飛躍的な進化をしているわけではないアダム・ロックスに約£17,000(292万円)を支払う価値があるのかどうか。これこそが真の論点になるはずだ。

ヴォグゾールの ’今までにない都会的なクルマ’ を打ち出すマーケティング手法を受け入れたうえで、このクルマのルックスを気に入ったのであれば購入する価値はあるだろう。

(マット・ソーンダース)

オペル・アダム・ロックス・エア 1.0DIT

価格	£16,695(287万円)
最高速度	195km/h
0-100km/h加速	9.9秒
燃費	19.6km/ℓ
CO2排出量	119g/km
乾燥重量	1088kg
エンジン	直列3気筒998ccターボ
最高出力	115ps/5000-6000rpm
最大トルク	17.3kg-m/1800-4500rpm
ギアボックス	6速マニュアル