太いトルクが何より魅力 DSオートモビルズ DS 7 ブルーHDi 130へ試乗 ゆとりのディーゼル

公開 : 2023.07.19 08:25

ブランドのフラッグシップSUV、DS 7のディーゼルターボへ英国編集部が試乗。魅力的なパワートレインだと評価します。

大きなボディのクルマにはディーゼル

ディーゼルエンジンを搭載した、新しいクロスオーバーが英国へやってきた。プラグイン・ハイブリッドやバッテリーEVの情報が多い最近にあって、大きなボディのクルマは、やはりディーゼルとの相性が良いと実感した。

2023年にDS 7 クロスバックはフェイスリフトを受け、シンプルにDS 7へ改名されている。それに合わせ、内燃エンジンのみで走るモデルはラインナップから大幅に削られ、3段階のプラグイン・ハイブリッドが主な選択肢となった。

DSオートモビルズ DS 7 ブルーHDi 130リボリ(英国仕様)
DSオートモビルズ DS 7 ブルーHDi 130リボリ(英国仕様)

英国で唯一残されたのが、1.5L 4気筒ターボディーゼルで走る、ブルーHDi 130。最高出力は130psを発揮する。

既にAUTOCARでは、DS 7のプラグイン・ハイブリッド、Eテンス225を試乗済み。今回は、お手頃なディーゼル版を確かめてみたい。

背の高いボディに1.5Lのディーゼルターボだから、気を使って運転しなければ、良好な燃費は得られないように思える。最高出力130ps、0-100km/h加速10.7秒という数字も、余裕を感じさせるものではないだろう。

確かに、高速道路の合流車線で鋭い加速を披露することはない。しかし、ディーゼル特有の太いトルクで、ゆったりとした巡航に浸れる。ガソリンターボ+駆動用モーターのハイブリッドのように、パワートレインへ頑張らせる必要はない。

市街地でも充分に洗練 変速も滑らか

日常的な速度域では、しっかり必要なだけ加速できる。停止状態からのダッシュでもノイズは控えめで、ディーゼル特有のカラカラという響きは伴うものの、市街地でも充分に洗練された印象を与える。

トランスミッションは、DS 7のガソリンターボとの相性がいまひとつといえた、8速オートマチック。しかしディーゼルターボとの関係性は良好といえ、トルクコンバーターが滑らかにトルクをつなぎ、気づかないうちに次のギアが選ばれている。

DSオートモビルズ DS 7 ブルーHDi 130リボリ(英国仕様)
DSオートモビルズ DS 7 ブルーHDi 130リボリ(英国仕様)

変速タイミングも好ましい。ドライバーの気分次第では、マニュアルモードで自らギアを選ぶこともできる。

今回の試乗での平均燃費は、約20.0km/Lとなった。驚くほどではないものの、このクラスのクロスオーバーとしては優秀。駆動用バッテリーを都度充電する必要もない。

それ以外の部分は、ほかのDS 7と同様。ステアリングはレシオが遅めながら、正確性は高い。ステアリングホイールの操舵感は、デフォルトでは軽めなものの、スポーツ・モードを選択すると重みが増す。スポーツSUVらしくなる、とはいえないけれど。

乗り心地には、もう少し落ち着きが欲しいところ。試乗車は19インチと、妥当なサイズのホイールを履いていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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