水素による新カテゴリーのオフロードレース 2025年設立へ 「エクストリームH」燃料電池採用か

公開 : 2023.09.01 20:05

エクストリームEとFIA国際自動車連盟は、2025年に水素を動力源とするオフロードレース「エクストリームH」の立ち上げを発表。水素燃料電池システムを採用すると見られます。

持続可能なオフロード 水素燃料電池採用?

EVによるオフロードレース、エクストリームE(Extreme E)とFIA国際自動車連盟は、2025年に水素を動力源とする新たなカテゴリー「エクストリームH」を立ち上げると発表した。

エクストリームHでは、既存のエクストリームEと同じオフロードSUVスタイルのバギーが使用される見込みだが、バッテリーEVではなく水素パワートレインを使用する。詳細は未確認だが、水素燃料電池システムが採用されると見られている。

持続可能なモータースポーツ実現に向け、水素を使った新カテゴリーを設立する。
持続可能なモータースポーツ実現に向け、水素を使った新カテゴリーを設立する。

エクストリームEの創設者であるアレハンドロ・アガグ氏は以前、この新カテゴリーを気候変動の影響を受ける地域においてエクストリームEと併催する計画を明らかにしている。参加チームは女性ドライバーと男性ドライバーを起用し、レース途中で交代する。

エクストリームEとFIAは今回、2025年にエクストリームHをFIA公認選手権として発足させるという拘束力のない覚書を交わした。その後、一定の基準を満たせば2026年以降にFIA公認の世界選手権となり、フォーミュラEを含む計7つのシリーズに名を連ねることになる。

今回の発表についてアガグ氏は「選手権の発展と、水素を動力源とするレースへの画期的な移行における重要な第一歩」とし、「スポーツはイノベーションを推進するための最も強力で効果的なプラットフォームであり、CO2排出量を削減した持続可能なモータースポーツ選手権を提供するというわたし達のコミットメントが、その証となります」と述べている。

FIAのモハメド・ベン・スライエム会長は「モータースポーツにおける持続可能な動力源の使用はFIAの重要な目標であり、長期戦略の一部です。本シリーズはそのための理想的なショーケースとなります。水素は重要な要素であり、わたし達はFIAの国際スポーツコードの一部である水素自動車の安全規則を策定しました」と述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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