クルマ好きおじさんが考えるサンタさんの「そり」

サンタクロースは毎年クリスマスの前に、何十億人分ものリストを作成し、プレゼントを用意し、ダブルチェックも行う。でも、このハードな仕事に見合う乗り物が見つからず、困っているようだ。

そこで我々は、サンタさんの手伝いをしているエルフたちに会い、現在販売されている市販車の最良の部分を使って、サンタさんのための「完璧なクルマ」を作成することにした。トナカイは草むらに放し、このクルマで世界中の子供達にプレゼントを配ってもらおう。

トランク：ダチア・ジョガー

サンタさんは約20億人の子供たちを訪問する必要があるが、平均的なゲーム機の箱1つだけでも40L近い積載スペースを占める。すべてを一度に配達するにはコンテナ船が何隻あれば足りるだろうか。

いまサンタさんに必要なのは、センターラインのない狭い道路や集合住宅の駐車場にも入れる、コンパクトだが大容量のトランクを備えたダチア・ジョガーだ。

7人乗りのミニバンで、後部座席を綺麗に折りたたむことができるジョガーは、最大1807Lのトランク容量を誇る。1つの村にプレゼントを配るには十分かもしれない……たぶん。

エアロ：ポルシェ911 GT3 RS

空を飛んだら地上に降りなければならない。

次の配送地点の上空に着いたサンタさんは、着陸アシストモードを作動させる。すると、サーキットで鍛え抜かれたポルシェ911 GT3 RS の巨大なリアウイング、ディフューザー、スプリッター、エアロがそりのボディから飛び出して合計860kgのダウンフォースを発生させ、市街地への最終アプローチに入る。

そして、みんなの靴下をパンパンにすると、油圧アシスト式の空気抵抗低減ベーンによって、再び離陸速度に戻る。

シャシー：レンジローバー

富士山の頂上に住んでいるからといって、新しいBMXをもらうことができないのは可哀想ではないか。そろそろ木製のランナーから、もう少し高性能な足回りに交換する時期が来ている。

レンジローバーは、超ソフトなエアサスペンションと四輪駆動・四輪操舵で、最大水深900mmの川を渡り、45度の斜面を登り、ゴツゴツとした岩場も乗り越えていく。

ナビゲーション・データを活用して、3km先までの凹凸に合わせてサスペンションを調整するため、プレゼントの中身がぐしゃぐしゃになる心配もない。

バッテリー：ルーシッド・エア・ドリーム

英レスター大学の研究によると、サンタさんが一晩に推定2億4千万件の配達をこなすには、光速の半分の速度で移動しなければならないという。ダウンタイムは最小限に抑えなければならない。

市販EVで最長の航続距離を誇るルーシッド・エアの最上級仕様「ドリーム・エディション」には、最大350kWの充電速度に対応した118kWhのバッテリーが搭載されている。これなら煙突を降りてミンスパイをかじっている間に、航続距離を稼ぐことができる。

我々の計算では、サンタさんが道草を食わなければ12時間で1000kmは走れるだろう。

画像　大きなトランク、強力なエアロ、頼もしい悪路走破性…【ポルシェ、レンジローバー、ダチアを写真でじっくり見る】　全57枚