[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

再確認される価値 ベントレー・コーニッシュ 職人の徹底的なお仕事 前編

2019.10.26

100字サマリー

1971年〜1976年の間に作られた、極めて貴重な2ドアクーペのベントレー・コーニッシュ。現代のクルマにはない個性が再び注目を集めています。その1台のオーナーの知識とレストア専門家の技が融合し、卓越した再生につながりました。

もくじ

1976年製のベントレー・コーニッシュ
見直されつつある古いベントレーの価値
ロールス・ロイスに水を開けられた人気
悪くない状態をさらに完璧に仕上げる

1976年製のベントレー・コーニッシュ

text:Martin Buckley(マーティン・バックリー)
photo:Will Williams (ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
派生グレードに秘められた価値を明らかになると、クルマの評価がぐっと上がることがある。僅かな手がかりから、個体の希少性が明らかになることもある。

例えば、クロームメッキ・バンパーが付いたロールス・ロイス・コーニッシュの初期モデルに、Mk1Aと呼ばれるベントレーの派生バージョンが存在することを筆者は知らなかった。1971年型と見かけは同じだが、1975年と76年に少数が作られた右ハンドル車。シャドーIIを元にした、ゴム製バンパーなどいくつかの改善点が加えられている。

ベントレー・コーニッシュFHC
ベントレー・コーニッシュFHC

ロールス・ロイスでは新しい技術を量産する前に、高価なコーチビルド・モデルに搭載してテストすることが1960年代後半からの通例だった。1979年のコーニッシュには、1980年型シルバー・スピリットに用いられるリアサスペンションが一足先に採用された。

今回ご紹介するのは、1976年製のベントレー・コーニッシュ。ロールス・ロイスとベントレーの専門ショップ、ヒラー・ヒル社のレストアが、見事なことに唸らされる。シャドウIIスタイルのダッシュボード・フェイシアに、スピリット風のエアコンが付いている。北米市場に向けた左ハンドル車。

このクルマは、世界大戦後に生み出された最も美しいロールス・ロイスとベントレーの象徴ともいえるだろう。前身モデルの2ドアのコンチネンタルのようなふくよかな美しさはないものの、控えめで上品な魅力がある。細かいことでも、エンスージャストなら、知っている知識は多い方が良い。

 
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