【主役と影武者】ACアシーカ/アストン マーティンDB MkIII 007が結ぶ2台 前編

2020.01.18

サマリー

ACアシーカとアストン マーティンDB MkIII。特徴的なハッチバックボディをまとう、兄弟モデルのように似た2台ですが、その乗り味は大きく異なります。銀幕の主役級になった1台と、影に隠れた実力派を詳しく見ていきましょう。

もくじ

007の原作者、イアン・フレミングの愛車
主役級の注目を集めたアストン DB MkIII
アヒル口のフロントグリルを獲得
わずか8台のみのラッドスピード社製

007の原作者、イアン・フレミングの愛車

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)
photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
1964年に銀幕の世界へアストン マーティンDB5がデビューしてからというもの、アストン マーティンとジェームズ・ボンドは切っても切れない関係となった。DB5は映画と自動車というカルチャーを結びつけるのに一役買った。

ロンドンの北にあるアストン マーティン創業の地、ニューポート・パグネルとジェームズ・ボンドとの結びつきはもう少し長い。007がイアン・フレミングの小説の世界だった時代にまで遡る。

アストン マーティンDB MkIII(1957年〜1959年)
アストン マーティンDB MkIII(1957年〜1959年)

ジェームズ・ボンドが登場する最も初期の作品、カジノ・ロワイヤルが出版されたのは1953年。フレミングが描いた主人公は、執筆者の人生を映し出してもいた。

ロンドン西部、イートンの町で士官学校時代を過ごし、第二次大戦中は英国海軍の情報部に所属。自動車への深い造詣も歳を重ねる中で培った。その知識は、1930年型ベントレー41/2リッター「ブロワー」の登場にも表れている。

ジェームズ・ボンドの移動手段として、本格的に自動車が描かれるようになったのは、1959年のゴールドフィンガーとなる。この小説が映画化され1964年に公開されると、ボンドが駆ったアストン マーティンはスター級の扱いを受けた。

小説の出版と映画の公開までには5年間の時間があったが、生みの親、イアン・フレミングがその頃に手に入れたクルマが興味深い。

 
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