「史上最高のホットハッチ」最適解 プジョー205 GTI/205 ラリー(1) ボディを巡る赤いストライプ 旋回軸はフロントアクスル
公開 : 2026.07.11 17:45
史上最高のFFホットハッチとして名高い、プジョー205のGTIとラリー。ルーツをWRCに持ちつつ、エンジンの異なる2台は、どちらがより優れるのか。UK編集部が直接比較で振り返ります。
もくじ
ー4年間と3psの差がある205のGTIとラリー
ーボディを巡った赤いストライプ
ー滑らかな発進が難しいほど鋭い吹け上がり
ー積極的に操れば旋回軸はフロントアクスル
ーWRCで2年連続コンストラクターズ・タイトルを獲得
4年間と3psの差がある205のGTIとラリー
初期型のプジョー205 GTIと、欧州仕様の205 ラリー。4年間の隔たりと、3psの馬力差がある。4気筒は共通ながらエンジンは異なり、5速MTも別物。前者はインジェクションで、後者はキャブレターと、逆転的な技術の違いも秘めている。
「史上最高のホットハッチ」最適解として2台を挙げたら、異論はほぼないように思う。しかし、どちらがイイのかという疑問を解くのは、簡単なことではない。

205 GTIは走り好きの定番プジョーで、205 ラリーはマニアックなホモロゲーション・プジョーという、大枠のイメージはあるだろう。だが、GTIのルーツもラリーにある。
実際、プジョー・タルボ・スポーツがミドシップの205 T16を世界ラリー選手権(WRC)へ向けて開発するまで、205には3ドアボディが存在しなかった。1983年に発売されたのは、5ドアハッチバック。スポーティなGTは、80psに留まった。
ボディを巡った赤いストライプ
グループBでの参戦を想定したT16は、ショールームに並んだ205とフロントマスクは似ていたが、共通点はほぼなかった。それでも、ラリーでの活躍を販売に反映させるべく、1984年に3ドアボディが登場。同時に、GTIがリリースされる。
ラリーカーと雰囲気を近づけるため、GTIはオーバーフェンダーで拡幅。バンパーやアルミホイールには、T16を意識したデザインが与えられた。フロントサブフレームは再設計され、ロアコントロールアームの追加で高速域の安定性が向上している。

既にホットハッチのリーダー的存在だった、フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIへ影響を受けるように、赤いストライプがボディを巡った。フロアに敷かれたのは、レッドカーペット。ステアリングホイールとシフトレバー・ブーツには、レザーが奢られた。
エンジンは、インジェクション仕様の1.6L 4気筒UXユニット。幸運にも、プジョーはひと回り大きいディーゼルも想定しており、エンジンルームには余裕があった。ブレーキは、前がベンチレーテッドディスク。サスペンションも強化され、車高は落ちている。
滑らかな発進が難しいほど鋭い吹け上がり
薄い鋼板がプレスされた、ドアは軽い。シートは高めに据えられ、ステアリングホイールの位置は低い。通常の205と変わらず視界が広く、包まれ感は殆どない。すり減った樹脂製のキーフォブを握りひねると、振動音を発しながらエンジンが目覚める。
第一印象は、スポーティではない。右ハンドル仕様より軽いクラッチペダルを踏み、1速を選択。レバーの動きは若干曖昧だが、ストロークが長くギアは選びやすい。

アクセルペダルを傾けた瞬間、初期のGTIはとりわけ特別な205だと気付ける。オーバースクエア・シリンダーを持つUXユニットの反応は、まさに即時的。トリプル・ウェーバーキャブを載せたイタリアン・ツインカムに匹敵するほど、刺激が強い。
吹け上がりが鋭すぎ、滑らかな発進が難しいほど。こんな特性を受けて、プジョーは後に低域でのレスポンスを穏やかに調整している。

































































































































