【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #25】1976年ポルシェ934「新たなレンシュポルトとして送り出された」
公開 : 2026.07.12 09:11
世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。土日祝日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#25は『1976年ポルシェ934』です。
1976年ポルシェ934
1972年に送り出された911カレラRS 2.7は競技用ベース車両の責務を果たし、カレラRSRで大成功を収める。その後さらなるパワーを得るため、ターボチャージャーを備えるカレラRSRターボへと進化していった。
ポルシェ934は、カレラRSRの後継モデルとしてFIAグループ4規定に則り、1976年シーズンに向けてより戦闘力を高めて製作されたレーシングモデルである。

934は911(930)ターボをベースとしたエボリューションモデルという立ち位置で開発された。グループ4の義務生産台数400台は、好調なセールスを続けていた911ターボによりあっさりとクリアすることができた。
この911ターボは、タイプ934と名付けられることになる新しいグループ4レーシングカーのベースとなるものであった。911ターボの開発過程では、934の要件を考慮した計画が立てられていた。
『改造の制限』という規則に合致させるため、ポルシェは911ターボにオーバークオリティなコンポーネンツを採用し、それらを934にも流用できるようにしていた。例えばトランスミッションは、934の485hpという過酷な負荷に耐えられるよう当初より設計されていた。
KKKターボチャージャーは1.4barで過給し485hpを発揮
エンジンは911ターボの水平対向6気筒2993ccエンジンを基に圧縮比は6.5:1とされ、KKKターボチャージャーは1.4barで過給し485hpを発揮する。燃料供給はボッシュ製Kジェトロニックを備える。当時の規定では、ターボチャージャー付きエンジンの過給機係数は1.4で、3リッターの934は4リッター超の区分に該当し、最低重量は1120kgになってしまった。
ディメンジョンは全長4290mm、全幅1870mm、全高1300mmで、車両重量は規定最低車重と同じ1120kmと発表されている。サスペンションは、調整可能なアンチロールバーを備えたソリッドマウントとナイロンブッシュに改造された。サスペンションの剛性を高めるためにコイルスプリングを追加している。

重い934の制動力は、ポルシェ917由来のベンチレーテッド&クロスドリル加工されたディスクで確保した。このほか強化ハブとBBS製センターロックホイールは16インチ化され、ホイールはフロントに16×10.5、リアは16×12.5が組まれた。

