プジョー205 GTI/205 ラリー(2) 不要物を省いたグループAのホモロゲ・モデル ラリー仕様の原点ホットハッチ
公開 : 2026.07.11 17:50
史上最高のFFホットハッチとして名高い、プジョー205のGTIとラリー。ルーツをWRCに持ちつつ、エンジンの異なる2台は、どちらがより優れるのか。UK編集部が直接比較で振り返ります。
もくじ
ーグループAへ不要なものが省かれた205 ラリー
ーツインキャブで一味違うTUユニット
ーGTIより後ろ寄りのバランスで扱いやすい
ープジョーによるラリー仕様の歴史が始まった205
ープジョー205 GTIとラリー 2台のスペック
グループAへ不要なものが省かれた205 ラリー
世界ラリー選手権(WRC)のグループA、1300cc以下クラスで戦うには、ホモロゲーション・モデルが必要だった。加えて、グループBの200台ではなく、5000台も生産する必要があった。1.6Lのプジョー205 GTIは、排気量を理由に選択肢に入らなかった。
果たして、必要な台数を損失なく生産するため1988年から提供されたのが、ラリーマシンへ不要なものが省かれた、205 ラリー。同年の小変更でダッシュボードが更新されており、自動的に205 GTIとインテリアのデザインは違っている。

長年のプジョー・ファンなら、シフトレバー前方にセンターコンソールがないことへ気付けるはず。ベースグレード以外の205には備わった、時計付きの小物入れは、グローブボックスのリッドとともに省略されている。
ホイールはアルミからスチールへ変更され、5.5Jの幅を収めるべく、オーバーフェンダーを追加。他方、フロントバンパーからはフォグランプが消えている。
ツインキャブで一味違うTUユニット
205 ラリーのエンジンは、シングルカムの8バルブ。軽量化のためブロックはアルミで成型され、排気量は1294ccを得ている。ボンネットを持ち上げると、当時のPSAグループで共有された、経済性重視のTUユニットと見た目は変わらない。
カムカバーも、ブラックで至ってシンプル。しかし、その奥にはサイドドラフト・レイアウトのウェーバー・キャブレターが2基並び、一味違うTUユニットだと主張する。

クランキングは205 GTIより長く、必要ならチョークの調整も必要。プジョーは防音材を削っており、発進させると明確に聞こえる吸気音が心地良い。あちこちから、きしみや振動に伴うノイズも聞こえてくるけれど。
低域では、やや咳き込むように回転上昇がもたつく。シフトレバーのストロークは長いが、変速は滑らかで、手応えも良い。この5速MTも、エンジンと同じく205 GTIとは別物で、PSAグループによるMAユニット。トルクが細い、廉価モデル用だった。
GTIより後ろ寄りのバランスで扱いやすい
12.2kg-mの最大トルクはGTIより低いが、軽量なボディが205 ラリーの加速を助ける。専用カムが本領を発揮する、3500rpm以上を維持すれば劣らず速い。ギア比は低く調整され、5速でも110km/hに届くと4000rpmを超えてしまう。
レッドゾーンは7000rpmだが、最も痛快なのは4000rpmから6000rpmの間だろう。引き締められたサスペンションと、GTI譲りのフロントサブフレームを採用しつつ、重量配分は若干後ろ寄り。コーナリングのバランスは優れる。

タイトなカーブでリアが跳ねる挙動は似ているが、扱いやすい。振り子のようにテールが振る舞う、不安定な印象は抑えられている。それでも凹凸を通過する度に、エンジン音をかき消すほどのノイズが車内に響く。ダンパーの動きが、ボディへ伝わる。
後ろを振り返れば、荷室側面の内装すらない。ボディ内の反響音に包まれ、景色は後方へ飛んでいく。ステアリングホイールには接地感が頼もしく伝わり、熱せられたエンジンオイルと吐き出された排気ガスの匂いが、僅かに鼻へ届く。

































































































































