フェラーリ愛好家が選んだ1995年式『F355 GTS』 絶妙なV8サウンドを誇る1台 傷や汚れもお気に入り
公開 : 2026.07.12 11:45
英国在住のラジ・サンガさんは、360や430など複数台のフェラーリを所有してきた中で、マニュアル仕様の『F355 GTS』が最も絶妙なバランスを備えていると語ります。購入の経緯や維持費について訊きました。
音も見た目も素晴らしい
「アクセルを踏み込むと、フェラーリ360モデナのエンジン音はどちらかといえば甲高い叫び声のようなもので、F430はうなるような音です。F355こそが絶妙なバランスなんです」と、英国在住のラジ・サンガさんは語る。
これら3台すべてを所有してきた彼なら、その違いをよく知っているはずだ。ラジさんの現在の愛車は『F355 GTS』のマニュアル車だが、それ以前は355 F1ベルリネッタを所有していた。彼のGTSのエンジン音は、アフターマーケット(社外品)のエグゾーストシステムによってさらに引き立てられている。

「3500~4000rpmあたりになると、純正マフラーでもV8エンジンの音が素晴らしいんです。でも、Tubiのマニホールド、カプリストのバックボックス、ラリーニの触媒など、アフターマーケットのシステムを装着すれば、全回転域でその音を楽しめます」
愛車のGTSは音も見た目も素晴らしい、とラジさんは言う。
「GTSはタルガスタイルのハードトップなので、スパイダーのオープンカーとベルリネッタのクーペの両方の良さを兼ね備えつつ、見た目を損なうこともありません。天気の良い日に風を髪に感じたいときは、ルーフを外してシートの後ろに収納するだけです。今日のように雨が降っているときは、また所定の位置にクリップで留め直せばいい」
購入と修理で約1500万円
ラジさんがこのF355 GTSを購入したのは取材の1年3か月前で、1995年登録、走行距離9万1700kmだった。
「友人から買ったんです。数年間使われていなかった、少々古びたクルマでした。でも整備記録はしっかりしていました。友人は修復するためにこのクルマを買ったのですが、部品をすべて揃えたものの、結局作業に取り掛かることができず、わたしに譲ってくれました」

「フェラーリにしては走行距離が多いこと、そして多少の傷や汚れがあるところが気に入っています。それがあるからこそ実用的で、わたしもあまり神経質にならずに済みます。ガレージに保管していますが、ただの『ガレージ・クイーン』ではありません。雨の中でも運転しますから」
ラジさんは、購入時に「6万ポンド(約1300万円)前後」を支払ったこと、そして6か月かかった修復作業に「少なくともさらに1万ポンド(約210万円)」かかったことを明かしてくれた。この個体はマニュアル仕様で、以前所有していた355F1のトランスミッションには、あまり馴染めなかったという。
「あのクルマを買ったのは、F1スタイルのトランスミッションを搭載した最初のモデルだったからです」と彼は認める。
「ミハエル・シューマッハと同じトランスミッションを搭載したフェラーリを持っていると自慢できるのは、最高でした。でも、フェラーリらしい走りではなかったんです」


















































