【コダワリのフェイスリフト】アウディRS5クーペに試乗 最新MMIを獲得

公開 : 2020.05.09 10:20

ファインチューニングが施された、アウディの高速クーペ、RS5。見た目に細かな変更を受けるとともに、インフォテインメント・システムもアップデートされました。ドイツの一般道で英国編集部が評価しました。

ボディに与えられたわずかな変化

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
第2世代へと生まれ変わって間もない、アウディRS5。インゴルシュタットのエンジニアは、更なるアップデートを施した。

2020年仕様となるRS5クーペは、更新が続くライバルモデルとの接戦に向けて、態勢を整えたのだろう。間もなく入れ替わるBMW M4や、現行のメルセデスAMG C63クーペなどと、2023年まで競い合うことになる。

アウディRS5クーペ(欧州仕様)
アウディRS5クーペ(欧州仕様)

ダウンサイジングされたハイブリッド・ドライブトレインを搭載した、まったく新しい3代目RS5の準備を進めているはず。それまでの競争力は充分だと、アウディは考えている。

アウディが今回行った変更は、主に見た目の変更が中心。エンジンの冷却性を向上させる目的もあるだろう。

アウディのファンであっても、今回のフェイスリフトの内容に気付くには、注意深く見比べる必要がありそうだ。エアインテークの形状に変更を受け、フロントバンパーが新しくなっている。

フロントグリルも同様に新しくなり、ボンネットとの境目に3本のスリットが追加された。1984年のラリーマシン、アウディ・クワトロに影響を受けたことは明らかだ。

ヘッドライトには、6ブロックに別れた新デザインのデイタイム・ランニングライトを装備する。最もわかりやすい変更点かもしれない。

テールライト周りも、フロントの造形に合わせてデザインが新しくなっている。ディフューザーと一体となったリアバンパーも、変更が加えられた。

インフォテインメント・システムも最新版へ

足元を飾るホイールには、新デザインの20インチが3種類用意された。ボディカラーも、ターボブルーとタンゴレッドの2色が追加になっている。

インテリアはこれまでのRS5と大きな変更はないが、仕上がりは素晴らしい。インフォテインメント・システムには新しいオペレーション・システムが採用され、機能が強化されている。

アウディRS5クーペ(欧州仕様)
アウディRS5クーペ(欧州仕様)

これまでのロータリースイッチはなくなり、MMIタッチレスポンスを採用した、タッチモニターでの操作に改められている。ナビゲーションには、モニター式のデジタルメーターと合わせて、アウディ・スポーツ専用のグラフィックスが与えられる。

フェイスリフト後のアウディRS5が動力源とするのは、2.9LのV6ツインターボ・ガソリン。従来と変わりはない。最高出力は450psのままだ。

この馬力は、現行のM4が搭載している3.0L直列6気筒ターボユニットと同じ数字。だが、第2世代のメルセデスAMG C63クーペが搭載する4.0L V8ターボよりと比べると、15psほど劣っている。

このアウディとポルシェによる共同開発ユニットで特徴となるのが、潤沢なトルク。61.1kg-mを1900rpmから5000rpmの間で発生する。

このトルクのおかげで、コンフォート・モードでは、滑らかで安楽な高速巡航に浸れる。同時にスポーツ・モードを選択すれば、鋭い加速でドライバーの気持ちに応えてくれる。

発進加速は特にシャープ。幅広い回転域に渡って充分以上のたくましさを持ち、中回転域では有無をいわせぬ動力性能を発揮する。

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