同門『ホンダN-BOX』らの後塵を拝し辛い立場のコンパクトカー マイチェンを受けた新型『フィット』に現行型オーナーが思うこと

公開 : 2026.07.15 11:45

先週『ホンダ・フィット』がマイナーチェンジ(一部改良)を発表しました。ここではその第一報をレポートした、実はマイチェン前モデルのオーナーでもある篠原政明が新型を少し深掘り。辛い状況にあるコンパクトカーの現況を探ります。

初代フィットが誕生してから25年

ホンダのコンパクトカー『フィット』の初代が誕生したのは、今からちょうど25年前となる2001年6月。現行型は2020年2月に登場した4代目となり、先週、そのマイナーチェンジ(一部改良)が発表されている。

初代からMM(マンマキシマム・メカミニマム)思想、つまり『人や荷物のスペースは最大に、機械のスペースは最小に』という理想に基づき、フロントシート下にガソリンタンクを配置するセンタータンクレイアウトを採用。これは現行型フィットだけではなく、多くのホンダ小型車にも採用されている。

7月9日にマイナーチェンジ、一部改良を発表した『ホンダ・フィット』。
7月9日にマイナーチェンジ、一部改良を発表した『ホンダ・フィット』。    山本佳吾

ハイブリッド車を追加したり、運転支援機能のホンダセンシングを標準化したり、フィットは代を重ねるごとに進化してきた。2025年末の時点で国内のホンダ車の保有台数は1073万台(ホンダ調べ、以下同じ)。そのうち、最も多いのがN-BOXシリーズで284万台。フィットはこれに次ぐ129万台となっている。2025年度の登録台数でも、フィットとN-BOXの2機種で約40%を占めている。

しかし、その登録台数全体の内訳を見るとやはりN-BOXがダントツで、フリード、ヴェゼル、ステップワゴンと続き、フィットはこれらの後塵を拝して5番手となっている。

フィットの属するコンパクトカー市場自体は直近で約28万台規模と、競争は激化しているものの、フィットだけでなくライバル車も登録台数は以前より減少しているものが多い。

その原因はどこにあるのか? ご想像のとおりコンパクトカーという立ち位置と、それを取り巻く他ジャンル台頭にあると言えるだろう。

ユーザーを守り、増やす大きな源泉

「クルマのサイズ的にはフィットで十分だけれど、もう少し人や荷物を積めるクルマが欲しい」という人は、コンパクトミニバンのフリードを選ぶ。

「フィットの走りも悪くないけれど、やっぱり時代はクロスオーバーだから」という人は、コンパクトクロスオーバーSUVのヴェゼルを選ぶ。

フィットはN-BOX(写真)だけでなく、フリード、ヴェゼル、ステップワゴンの後塵を拝し、ホンダの中で5番手の販売台数となっている。
フィットはN-BOX(写真)だけでなく、フリード、ヴェゼル、ステップワゴンの後塵を拝し、ホンダの中で5番手の販売台数となっている。    本田技研工業

そして「人や荷物がフィット並みに積めるのなら、軽自動車で十分」という人は、軽スーパーハイトワゴンのN-BOXを選ぶ。

つまり、フィットのライバルは他社コンパクトカーだけではなく、身内にも数多く存在する。この傾向はライバル他社でも同様に見られるようだ。とはいえ、ホンダにとってフィットは非常に重要なモデルであり、ユーザーを守り、増やす大きな源泉でもある。

そこで行われたのが今回のマイナーチェンジ、一部改良だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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