BMW iX5 60 xドライブ(2) ボルボEX90やメルセデスEQS SUVと一線画す 約3.0tの車重を感じさせない操縦性 iXに変わるゲームチェンジャー

公開 : 2026.07.15 18:10

新型BMW iX5の試作車へUK編集部が試乗。バッテリーは量産EVで最大級の141kWh。総合578psが生む不満ない動力性能に、約3.0tの車重を感じさせない操縦性。ひと足先に実力を探ります。

総合578psと81.9kg-mのiX5 60 xドライブ

BMW iX5の運転体験には、最新のiX3へ通じるものがある。車重がかさむぶん、よりどっしりと逞しい印象ではあるが、まったく動力性能に不足はない。

試乗したプロトタイプは、ツインモーターのiX5 60 xドライブ。後ろに329psと50.9kg-mを発揮する他励同期モーター、前に248psと31.0kg-mの非同期モーターを搭載し、総合での最高出力は578ps、最大トルクは81.9kg-mが主張される。

BMW iX5 60 xドライブ(プロトタイプ)
BMW iX5 60 xドライブ(プロトタイプ)

バッテリーEVでは0-100km/h加速自慢が多いが、試乗車も4.6秒となかなか。だが過激さはなく、BMWらしい小気味良さで積極的な走りを楽しめる。よりパワフルなiX5がお望みなら、「M」を冠した仕様を待つこともできる。

アクセルペダルと同様に、ブレーキペダルの反応も自然で制動力を調整しやすい。回生ブレーキはアダプティブの他、3段階から選択可能。シフトセレクターでBを選ぶと、速度管理が容易なワンペダルドライブも利用できる。他方、惰性走行には対応しない。

約3.0tの車重を感じさせない狙い通りの操縦性

車重が約3.0tあるiX5だが、実際に走らせるとそれを感じさせないところが凄い。実に、フォルクスワーゲン・ゴルフ2台分だ。

オプションでアクティブ・アンチロールバーや、最大3.5度まで制御される後輪操舵システムも実装できるが、試乗車には備わらなかった。後者の舵角は小さく思えるが、BMWらしい運転感覚にしたいという考えで、あえて拡大されなかったという。

BMW iX5 60 xドライブ(プロトタイプ)
BMW iX5 60 xドライブ(プロトタイプ)

ステアリングの反応は線形的で、重み付けは好ましい。精度も高く、大きなボディをハイスピードで狙い通りに導ける。路面からのフィードバックが豊かというわけではないものの、ボディロールに合わせて手応えが増し、負荷状態を感じ取れる。

カーブからの脱出で鋭い加速を求めると、リア寄りの駆動割合いを明確に感じ取れる。路面が濡れていても、トラクション・コントロールの介入はほぼなく、平然と速度を上昇させていく。

EX90EQS SUVと一線画す仕上がり

試乗車は22インチ・ホイールを履いており、だいぶ傷んだ路面では処理に手を焼く場面は見られた。それでも、許容できない範囲ではないだろう。路面がうねるような区間では、ボディが上下に大きめに揺さぶられるが、概して落ち着きは保たれていた。

路面へ吸い付くような操縦性に、好ましいステアリングの反応。長距離ドライブも、快適にこなせるに違いない。BMWらしい体験といえ、ボルボEX90やメルセデス・ベンツEQS SUVと一線を画す仕上がり、といってもいい。

BMW iX5 60 xドライブ(プロトタイプ)
BMW iX5 60 xドライブ(プロトタイプ)

ちなみに先代同様、生産数は限られるが、新型iX5にも水素燃料電池EVの計画がある。英国は水素インフラの普及が充分ではなく、事業として成立させるのは難しいと、以前のBMWは見解を示していたが。

システム自体は、トヨタとの共同開発。バッテリーEV版では駆動用バッテリーが敷かれるフロア部分に、細長い水素タンクが並べられ、バッテリーも別に実装されるという。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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