バッテリーは量産EV最大級 BMW iX5 60 xドライブ(1) エンジン版とプラットフォーム共有 タッチモニターはやや複雑なメニュー構成

公開 : 2026.07.15 18:05

新型BMW iX5の試作車へUK編集部が試乗。バッテリーは量産EVで最大級の141kWh。総合578psが生む不満ない動力性能に、約3.0tの車重を感じさせない操縦性。ひと足先に実力を探ります。

CLARプラットフォームはX5と共有

BMWは、いずれジェットエンジンも検討するかもしれない。なんていう冗談はさておき、最新のX5/iX5が対応するパワートレインの種類は半端ない。

ガソリンとディーゼルエンジンのマイルド・ハイブリッドに、ガソリンのプラグイン・ハイブリッド、バッテリーEVに加えて、水素燃料電池EVまで提供するらしい。いずれも、高水準で実現される可能性は高い。

新型 BMW iX5(欧州仕様)
新型 BMW iX5(欧州仕様)

AUTOCARの読者なら、正式発表された姿をご覧になったはず。英国での発売は2027年3月までお預けだが、今回は生産を間近に控えたプロトタイプへ試乗が許された。

最新のBMW iX3は、エンジン版とプラットフォームが別物なのはご存知だろう。その方が、高効率なパッケージングを実現できる。しかしiX5では、高い柔軟性を持つCLARプラットフォームを、X5とともに採用。ボディもインテリアも、互いに共有している。

バッテリーは量産EVで最大級の141.0kWh

プラットフォームの共有には、北米工場の同一ラインで生産できる、というメリットがある。EVの需要が伸び悩んでも、工場の稼働停止に追い込まれる可能性は低い。一方で需要が増えれば、柔軟に生産割合を変えることもできる。

EV専用設計でなければ充分な性能を得にくいのでは? と疑問を抱くかもしれないが、心配ご無用。新しいiX5の駆動用バッテリーは、容量が141.0kWhもある。

新型 BMW iX5(欧州仕様)
新型 BMW iX5(欧州仕様)

これは、現在量産されているEVの中で最大級。ポルシェカイエン・エレクトリックも大容量だが121.0kWhで、電動の軽自動車、1台分ほどの差がある。

もちろん、CLARプラットフォームはアップデートされており、電動パワートレインは電圧800Vへ対応。駆動用バッテリーとモーターは、BMWが第6世代と呼ぶ技術にある。

約3.0tの車重を受け止めるエアサスペンション

バッテリーのセルは円筒形で、モジュール化されず直接バッテリーケースへ並べられ、フロア部分に搭載。制御ユニットは、その上部に位置する。技術者によれば、フロアの高さを抑えることが大きな課題で、ミリ単位で設計が練られたそうだ。

軽量化も課題だったというが、そこまでの結果は得ていない。3.0tには収まるが。何も対策しなければ、英国では貨物車用免許が必要になる、3.5tを超えていたかも。

新型 BMW iX5(欧州仕様)
新型 BMW iX5(欧州仕様)

この車重を受け止めるべく、エアサスペンションが標準。リア側は、エアスプリングとアダプティブダンパーが独立して配置される。これにより空気の体積を増やせ、よりソフトな乗り心地に対応。ダンパーの位置を外側にすることで、操縦性も良くできる。

また、アンチロールバーのレイアウトも見直され、理想的な効果を得たという。フロント側は、従来と同様に変形版のダブルウイッシュボーンだ。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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