【頭文字D(イニシャルD)】「藤原豆腐店」は実在した! 区画整理で伊香保の博物館に移設

公開 : 2020.01.01 07:20

頭文字D(イニシャルD)にとって、欠かせない存在ともいえる「藤原豆腐店」。モチーフになった豆腐屋さんは「藤野屋豆腐店」として、実在していました。それからいくつかの運命を経て、現在は伊香保に。

「藤原豆腐店」本当の名前は「藤野屋豆腐店」

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

「頭文字D(イニシャルD)」で世界的に有名になった「藤原豆腐店」は、作者であるしげの秀一氏が高校生の頃に使っていた通学ルートの近くに実在していた豆腐店である。

物語が生まれるきっかけになった場所でもあり、またイニシャルDファンの「聖地」でもある。

頭文字Dの中では「藤原豆腐店」だが、実際の豆腐店は「藤野屋豆腐店」という名前だった。
頭文字Dの中では「藤原豆腐店」だが、実際の豆腐店は「藤野屋豆腐店」という名前だった。

頭文字Dの中では「藤原豆腐店」だが、実際の豆腐店は「藤野屋豆腐店」という名前だ。

筆者は息子が4歳の時に、香港映画の実写版「頭文字D」を映画館で見てから親子ではまり、コミックス全巻を買いそろえたほか、英語の勉強のためにUS版コミックス10巻、US版DVD(アニメ)なども買いまくった。

そして、物語の舞台となる藤原豆腐店や秋名山(榛名山)の5連ヘアピン、碓氷峠のC-121コーナー、峠の釜めし「おぎのや」の看板がある駐車場や走り屋が集まる「すかいらーく」など、ほとんどは実在することを知った。

本物が見たい! と思う一心で、息子が幼稚園~小学生低学年の頃はたびたびロケ地巡りに出かけていた。

そのころよく訪れていたのが、藤原豆腐店である。

2008年頃まで群馬県渋川市寄居町に実在していたお豆腐屋さんで、実写版映画の際にはロケ地として使われた。看板なども物語と全く同じに架け替えられていた。

もともと作者がこの豆腐店を舞台にしているのだから、似ているのは当然と言えば当然だが。

世界中から頭文字Dファンが集まる聖地に

最初にわたしたちがお店に訪れたのは2006年の春だった。

実写版「頭文字D」が日本で公開されたのが2005年9月だったので、すでに映画のロケから2年以上が経過していたが、お店の前には出演した俳優さんたちの写真や、数多くの撮影中の写真やサインなどが飾られていた。

筆者が訪れた2006年当時のようす。
筆者が訪れた2006年当時のようす。

世界中から訪れる頭文字Dファンのために用意したお店側のサービスだ。

わたしたちも藤野屋豆腐店でお豆腐や油揚げを買って、そしてお店の前で記念写真を撮った。

お店の人に聞いて初めて知ったが、藤野屋豆腐店は渋川市内で100年以上続くお豆腐屋さんとのこと。

とても歴史のあるお豆腐屋さんだったのだ。

店主いわく「特にアジアからの観光客が多いですね。韓国とか台湾ですね。皆さんインターネットで情報を集めてね、藤原豆腐店が実在することを知ったそうですよ」とのこと。

「それではるばる海を越えてね、ここに来てこのお店の姿を見たら感動しちゃってね。号泣される方もたくさんいましたよ。何度もありがとうって」

「そんな風に、はるばる来てくれる方がいるから、ロケが終わっても元の看板に戻さず、このままにしておこうと。あと、映画の撮影中の写真なんかも飾ってね。訪れた人に喜んでもらえたらいいかなと」

「遠く海外からせっかくきたのに、『藤原豆腐店』じゃなかったらがっかりでしょう?」

もう1つ、看板やその他のセットを映画と同様に残していたことには寂しい理由もあった。

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