最大の強みはインテリア! プジョー3008 ハイブリッド136へ試乗 シートへ座れば魅力を実感

公開 : 2024.02.28 19:05

加速で感じるパワー不足 燃費は市街地が1番

マイルド・ハイブリッドの内容は、6速デュアルクラッチAT内に22psの電気モーターを実装し、直列3気筒1.2Lガソリンターボと共同でフロントアクスルを動かすというもの。
EVモードはないが、軽負荷時なら、独自の制御でモーターだけで走行できる。

ただし、僅かに強めの加速を求めると洗練性が薄れ、パワー不足も見えてくる。実際、同等のパワートレインを積んでいた2代目と比較し、0-100km/h加速は0.2秒遅い。この大きな理由は、車重だといえる。

プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)
プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)

市街地を穏やかに流す場面でも、少し多めにアクセルペダルを傾けることに。条件によっては、3気筒エンジンの頑張る様子が、ドライバーへ伝わってくる。

乗り心地は、基本的には悪くない。路面から完全に隔離されているわけではないが、強い衝撃はなだめられ、荒れた路面でも乗員が揺さぶられることはないだろう。だが、条件の厳しい英国郊外の一般道を80km/h程度で流すと、落ち着きに陰りが出始める。

操縦性は悪くないが、ステアリングホイールを操って、一体感を楽しめるタイプではない。操舵への反応は正確で予想しやすいが、機敏とはいえず、車重による鈍さも隠せてはいない。ダイナミックなスタイリングを考えると、少し惜しい。

今回は複合的な条件を走らせて、燃費は平均で14.0km/Lへ届かなかった。特に高速道路での巡航時に、数字が伸び悩む傾向がある様子。電気モーターでの走行時間が増える市街地が、最もエネルギー効率に優れるようだ。

優れるコスパ シートへ座れば魅力を理解

英国で設定されるトリムグレードは、アリュールとGTの2段階。価格は3万4650ポンド(約645万円)からで、GTを選択すると3500ポンド(約65万円)高くなる。それでも、アリュールより高い支持を集めると予想される。

装備は充実し、コスパはかなり高い。2画面が一体のワイドなモニターパネルだけでなく、19インチ・アルミホイールや、アンビエントライトなどが標準でついてくる。

プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)
プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)

印象的なインテリアを備え、過不足ないドライビングマナーを備えた、3代目3008。運転の楽しさで輝くことはないかもしれないが、実際にシートへ座ってみれば、その魅力を理解できるはず。気になったら、1度ディーラーを訪ねてみてはいかがだろう。

◯:インテリアの素材と質感 知的なショートカットキー 充実した標準装備
△:思い車重が生む動的な制限 今ひとつ伸びない燃費

プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万4650ポンド(約645万円)
全長:4542mm
全幅:1895mm
全高:1641mm
最高速度:201km/h
0-100km/h加速:10.2秒
燃費:15.8-18.6km/L
CO2排出量:122-143g/km
車両重量:1573kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/5500rpm
最大トルク:23.5kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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