テスラ・モデル3 詳細データテスト 静粛性と質感は向上 やはり硬めの乗り心地 使い勝手はやや後退

公開 : 2024.03.16 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

好き嫌いがはっきり分かれるモデル3の内装だが、そこはマイナーチェンジでも変わらない。ほかにはないくらい、もろもろ削ぎ落とした環境で、テスラのデザイナーたちは実体スイッチを極限まで減らした。

最新のモデル3では、コラムレバーさえも排除。ウインカーはステアリングホイール上のタッチパッドで、ワイパーはタッチパネルで、それぞれ操作するようになった。これでどれだけ製造面のコストカットや省力化ができるのか知らないが、ドライバーとしてはあまり歓迎できる変化ではない。

質感や組み付け精度は高まった。しかし、コラムレバーすら廃してスイッチやタッチ画面に統合したウインカーやワイパーの使い勝手は、決して優れたものではない。
質感や組み付け精度は高まった。しかし、コラムレバーすら廃してスイッチやタッチ画面に統合したウインカーやワイパーの使い勝手は、決して優れたものではない。    MAX EDLESTON

たしかに、ステアリングスイッチで方向支持をするをするクルマがないわけではないが、スーパーカー的な特殊なクルマに見られる程度だ。また、オートワイパーがついているとはいえ、雨の程度によっては反応が悪く、結局はタッチパネルでのマニュアル操作が必要となった。われわれとしては、これらは使い勝手面の問題点だとみなしており、テスラには再考を促したい。

それよりも明らかに成功しているのは、質感の部分だ、マテリアルやフィニッシュはグレードアップし、全体的にアップデートしている。プレミアム系のライバルと張り合えるレベルに達したと言えるだろう。

ダッシュボードは、上部にカラーやマテリアルの異なるインサートを追加できるようにになり、黒をベースにグレーのテクスチャーのファブリックを加えることなどが可能になった。カップホルダーにはスライド式のリッドが備わり、ダッシュボードからドア上部にかけてアンビエントライトも内蔵された。組みつけのソリッドさも増し、改良前にあったような軋み音はほぼ消えた。

そのほかにも小物収納が増え、前後ラゲッジスペース容量は合計682Lに。これはICE車のBMW3シリーズが480Lなのを考えると、かなりの積載能力だ。後席は大人ふたりが快適に乗車でき、パノラミックルーフと大面積のガラスハウスがクラス屈指の開放感をもたらす。これより広いスペースを提供するのは、フォルクスワーゲンの新型車であるID7くらいだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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