テスラ・モデル3 詳細データテスト 静粛性と質感は向上 やはり硬めの乗り心地 使い勝手はやや後退

公開 : 2024.03.16 20:25  更新 : 2024.03.26 20:35

大幅改良を実施したテスラ・モデル3は、静粛性や質感はアップしたものの、我が道を行くエルゴノミクスはさらに特殊さを増し、乗り心地の硬さはこれまでどおり。魅力的ながら、やはり好き嫌いは明確に別れそうなクルマでした。

はじめに

未来の歴史家は、パーソナルな移動手段として、T型フォードフォルクスワーゲンビートルとともに、テスラモデル3の名を記すだろう。

このテスラのエントリーモデルが登場した2017年、すでにEVは物珍しいものではなくなっていた。BMW日産、そしてテスラ自身が市場を築いていた。しかし、それから7年を経て、モデル3は驚くほどどこでも見かけるクルマになった。

テスト車:テスラ・モデル3ロングレンジ
テスト車:テスラ・モデル3ロングレンジ    MAX EDLESTON

そんなモデル3がマイナーチェンジを実施した。自動車業界の常識からすれば随分遅い手直しだが、テスラは一般的な尺度では測れないメーカーだ。しかも、そのプロダクトはほかにないほど斬新なものだった。

それでも改良を施さざるを得なくなったのは、ポールスター2やBMW i4BYDシールなど、直接的な競合車が続々現れたから。価格改定や航続距離、スッキリしたインテリアや独自の充電網であるスーパーチャージャーといった、これまでの魅力だけでは安泰とは行かなくなってきたのだ。快適性や質感の向上など、棚上げしていた課題に取り組むときが来たとも言える。

果たして改良版モデル3は、ライバルたちを向こうに回して、今後も競い合っていけるだけの力を手に入れたのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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