テスラ・モデル3 詳細データテスト 静粛性と質感は向上 やはり硬めの乗り心地 使い勝手はやや後退

公開 : 2024.03.16 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

テスラ的には、洗練性と快適性の向上は、マイナーチェンジの大きな狙いだったようだ。発表によれば、風切り音は30%、ロードノイズは20%低減し、暗騒音の遮音性は30%高めたという。改良前を思うと、いずれもありがたい話だ。遮音ガラスの採用や空力の改善、サスペンションブッシュの見直しや静粛性に優れたタイヤの採用など、さまざまな修正が図られた結果だが、実際のところ、宣伝どおりになっているだろうか。

われわれの計測では、たしかにその効果が見て取れる。今回の4WDモデルは、5年前に計測したRWDモデルより、全域で静粛性を高めている。その数値はBMW i4とまたくの同等で、以前はライバルより大きかった113km/hでの1dBAを、改良型は削ってきた。

静粛性は改善されたが、足回りは硬めで、引き締まったハンドリングと引き換えに、長距離走行に堪える快適性を損ねてしまっている。
静粛性は改善されたが、足回りは硬めで、引き締まったハンドリングと引き換えに、長距離走行に堪える快適性を損ねてしまっている。    MAX EDLESTON

足回りは従来の硬い乗り心地をなめらかなものにしようと、ブッシュのほか、ジオメトリーやホイール、タイヤも見直した。しかし、静粛性とは違って、こちらは改良前後の差があまり感じられなかった。全体的に、スムースとはいえない路面では、しなやかさやバンプの吸収性が平均以下。サスペンションの硬いスプリングはB級道路を楽しめるタイトさをもたらす代わりに、ボディの動きを忙しなくソワソワしたものにしてしまっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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