アウディ新型「Q5」欧州で発売 人気の高級SUV、乗り心地とハンドリング向上 約835万円から

公開 : 2024.10.04 06:25

アウディは人気のミドルクラスSUV「Q5」の第3世代を欧州で発売した。新プラットフォームを採用し、全車にハイブリッド・パワートレインを搭載。来年にはクーペSUVの「Q5スポーツバック」も登場する。

全車ハイブリッドを搭載

第3世代となる新型アウディQ5が、欧州市場で発売された。車両価格は2008年発売の初代モデルのほぼ2倍となる。

欧州向けの価格は5万2300ユーロ(約835万円)から、右ハンドルの英国向けの価格は4万9950ポンド(約960万円)から。2025年4月より納車開始予定だ。

アウディSQ5
アウディSQ5    アウディ

Q5は昨年のアウディの世界販売台数の17%(33万4480台)を占めた人気のミドルクラスSUVで、同社の軸となっている。新型では引き続き、クーペSUVタイプのQ5スポーツバックも導入される予定だ。

フルモデルチェンジに際し、「プレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)」という新しいプラットフォームを採用。電動パワートレインとの親和性を高めた構造で、Q5の全車にハイブリッドシステムが搭載されている。

エントリーグレードとなる「2.0 TFSI」は、48Vマイルドハイブリッド付きの2.0L 4気筒ターボガソリンエンジンを搭載し、最高出力204psと最大トルク34.7kg-mを発生する。前輪駆動と四輪駆動が選択可能だ。価格は冒頭で紹介した通り。

ディーゼルの「2.0 TDI」は、同じくマイルドハイブリッドの2.0L 4気筒ターボディーゼルエンジンを搭載し、最高出力204ps、最大トルク60.9kg-mを発生。四輪駆動が標準となる。欧州価格は5万7100ユーロ(約910万円)から、英国価格は5万1600ポンド(約990万円)から。

スポーツグレードの「SQ5」は、最高出力367ps、最大トルク56.0kg-mのマイルドハイブリッド3.0L V6ターボガソリンエンジンを採用した。欧州価格は8万2900ユーロ(約1320万円)から、英国価格は7万4400ポンド(約1430万円)から。

高度な電動化・デジタル技術に対応

また、来年にはプラグインハイブリッド(PHEV)モデルも導入予定で、電気のみで約80kmの走行が可能と言われている。

アウディは、EVへの移行が当初の予想よりも長引いていることから、再びハイブリッド・パワートレインに注力するようになった。それでも内燃機関を段階的に廃止する方針は変わらず、Q5も次の第4世代から完全電動化する見込みである。

アウディSQ5
アウディSQ5    アウディ

新開発のPPCプラットフォームは、従来と比べて電気アーキテクチャーが大幅にアップグレードされており、配線関係を全面的に見直したことで、最大5個の車載コンピューターを使用できるようになった。

PPCは多様なハイブリッドシステムに対応している。例えば、内燃機関を発電機として使用するレンジエクステンダーEVや、大排気量のV8エンジンも導入できることが分かっている。大型SUVのQ7の次世代モデルへの採用も期待される。

アウディによると、新型Q5ではPPCの採用により乗り心地とハンドリングも向上したという。スチール製スプリングとパッシブダンパーが標準装備され、オプションでエアサスペンションも用意される。

インテリアもより現代的なものとなった。アウディ最新の「デジタルステージ」デザインを採用し、11.9インチのデジタルメーター・ディスプレイと14.5インチのインフォテインメント・タッチスクリーンで構成される有機ELパネルを搭載。オプションで助手席用の10.9インチ・タッチスクリーンも選択できる。

記事に関わった人々

  • チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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