日産ジュークNISMO RS M-Xトロニック

公開 : 2015.02.02 23:40  更新 : 2021.03.05 18:51

ステアリングは依然として十分なフィードバックに欠ける印象があり、ジュークの誇る動力性能の足を引っ張ってはいるが、正確性やレスポンスは好印象。触り心地と形の良さも相まって、快適に楽しみながら運転できる。ブレーキ・フィールも同じく満足でき、制動力も何ら不足はない。

スタッドレスとアイスバーンの擦れる音のせいで、エグゾースト・ノートは車内に届きにくかったけれど、外から聴いていたスタッフいわく、214psを発揮する1.6ℓターボ・ユニットと径が大きくなったエグゾースト・システムの組み合わせは、十分にドライバーを楽しませてくれるレベルにあるのだそうだ。最高出力を発生する6000rpmまでは辛抱強く待つ必要はあるものの、エンジンの回転フィールは驚くほどなめらかだ。

0-100km/hタイムの8.0秒という値は、先代のジュークNISMOよりも0.2秒短縮されている。フォードフィエスタSTの6.9秒に比べると明確に劣っているけれど、フィエスタに比べると実用的であることと4WDのフリクション・ペナルティを考えると、結果的にはジュークもさほど劣ってはいないといえる。

それに、トラクションや安定感よりも瞬発力を優先するのであれば、FFのMT版を選ぶという手段も残されている。

それよりも、筆者はトランスミッションの方が気になる。エンジン・パワーの伝達スピードや、ダイレクトさには依然として好感がもてるのだが、回転が高まるにつれてクランク部分から発生する振動がわずかにビリビリと伝わってくるのだ。

■「買い」か?

ジュークの長所はそのままに、先代よりもわずかではあるがさらに楽しくなっている点は高評価の対象。唯一の直接的なライバルであるミニ・クーパーSカントリーマン(日本名:クロスオーバー) ALL 4オートマティックよりも£700(12万円)安価であることも、ひとつの強みとなるだろう。

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