失敗に終わった高級車ブランド 29選(後編) 歴史に残る「しくじり」

公開 : 2025.01.26 18:25

インフィニティ(1989年~)

現在も存続しているが、日産の高級車部門であるインフィニティは欧州では苦戦を強いられた。インフィニティは1989年に北米で販売を開始し、2010年には世界50か国以上にディーラー網を展開するまでに成長。2009年には欧州での販売も開始したが、これは深刻な不況の最中であった。また、欧州で人気を博していたディーゼルエンジンも、当初はラインナップになかった。

インフィニティのデザインは米国やアジアではかなり受け入れられたようだが、欧州ではブランドの認知に苦戦し、アウディBMWといった強固なブランドと競争するのは難しかった。結局、インフィニティは2020年に欧州から撤退した。

インフィニティ(1989年~)
インフィニティ(1989年~)

アンフィニ(1991年~1997年)

アマティも知る人ぞ知る存在かもしれないが、日本国外ではアンフィニを知る人はほとんどいない。アンフィニは、マツダが日本で販売していた高級ブランドである。5ドア・ハッチバックのMS-6や、大型セダンのMS-8などがあった。マツダは1997年、アンフィニ、オートザム、ユーノスなど、各ブランドをすべて廃止し、マツダブランドに焦点を絞った。

アンフィニ(1991年~1997年)
アンフィニ(1991年~1997年)

アルフェオン(2010年~2015年)

目を細めて見ると、オペル・インシグニアやビュイック・ラクロスの面影が見える。アルフェオンは、韓国向けの高級ブランドとしてGMが試みたものだったからだ。GMはまさに経営破綻の危機をかろうじて免れ、ポンティアックなど多くのブランドを整理したばかりだった。

しかし、韓国ではビュイックは無名であり、また大宇に高級なイメージもなかったため、GMは新たにアルフェオンを立ち上げることにした。販売面でまずまずの成功を収めたものの、GMはアルフェオンへの関心を失ったようで、たった1車種を発売しただけで2015年に廃止されてしまった。

アルフェオン(2010年~2015年)
アルフェオン(2010年~2015年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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