ケータハム似の2座ロードスター GBSゼロへ試乗 600kgが生む鋭さ 素直で精緻な操縦性

公開 : 2025.02.11 19:05

シャシーはソリッド 乗り心地は良好

内装の品質は、全体的に高い。試乗車には、スイッチ類がトランスミッショントンネルへ移動する、カーボンファイバー製ダッシュボードや、ワイパーとライト用のステアリングコラム・レバーなどが装備されていた。

ドアは、この手のモデルへ通じることだが、少し開閉しにくい。4点式のハーネスは標準装備。ステアリングホイールの角度は調整できない。シフトレバーは、ケーターハムより少し長いようだ。ヒーターはないが、シートヒーターを追加できる。

GBSゼロ(英国仕様)
GBSゼロ(英国仕様)

乗り心地は良好で、滑走する感じはスムーズ。車重は軽いから、ボディロールが小さい。ただし、ケーターハムよりひと回り大きいシャシーサイズのためか、僅かに瞬発性では劣るかもしれない。

サスペンションは、前後ともダブルウィッシュボーン。タイヤは、195/50のヨコハマ・アドバンネオバAD08を履く。アルミホイールは15インチで、チームダイナミクス社製となる。

ライバルより3倍高い剛性をうたうだけあって、確かにシャシーはソリッド。それでも、アスファルトの剥がれた穴の多い英国の一般道では、ドアなどからカタカタと音が聞こえてくる。

人間工学的にも練られている。3枚のペダルの間隔や位置は丁度良く、握りやすい位置のシフトレバーの動きにも無駄はない。それらの感触や重み付けも、調和している。

213psで鋭い動力性能 素直で高精度な操縦性

ステアリングは、切り始めがややナーバス。ステアリングコラムが、マウント部分で若干たわんでいるようだ。それでも、安定性は高い。

600kgで213psだから、動力性能は相当に鋭いが、充分なグリップ力を得られるほどタイヤは温まらなかった。試乗したのは雨がちの12月で、本来の動的能力へ迫ることは難しい。とはいえ、操縦性の精度は高く、挙動は素直だと感じた。

GBSゼロ(英国仕様)
GBSゼロ(英国仕様)

アスファルトは冷え切っていて、トラクションは案の定すぐに抜ける。予測したとおりに。春が来て暖かくなったら、改めて走りを確かめたいと思った。第一印象は、かなり良かったから。

GBSゼロ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万1861ポンド(約816万円)
全長:3350mm
全幅:1720mm
全高:1100mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:3.5秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:約600kg
パワートレイン:直列4気筒2488cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:213ps/7000rpm
最大トルク:27.0kg-m/4000rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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