デロリアンを共同所有できてしまうかも、という話【新米編集長コラム#17】

公開 : 2025.02.02 12:05

「人生をかけてこのサービスを作った」

当日はCEOの浅岡亮太さんにお話を伺うことができた。浅岡さんはDeNA在籍時代にカーシェアリングサービス『Anyca』を立ち上げた方で、その後、メルカリでは自動車プロジェクト責任者として活躍。2022年5月にランデヴーを創業した。ちなみにちょっと古いフランス車やイタリア車を扱うスペシャルショップ『アウトレーヴ』代表、浅岡紀子さんの息子さん……と書いたほうが、響く方はいらっしゃるかもしれない(筆者も驚いた)。

浅岡さんは「人生をかけてこのサービスを作った」と力強く語っている。実家のバックグラウンドがあり物心ついた時からクルマ好き(特にクラシックカー)であったが、全てを知っているからこそ、趣味車を所有するハードルの高さもよく理解していた。そこでハードルを下げるべく様々なトライを行ってきて、集大成としてこのランデヴーのシステムにたどり着いたわけだ。

「人生をかけてこのサービスを作った」とランデヴーCEOの浅岡亮太さん。
「人生をかけてこのサービスを作った」とランデヴーCEOの浅岡亮太さん。    山本佳吾

オーナー像を浅岡さんに聞いたところ、60歳前後で昔からクルマ好きの方が退職後の楽しみとして所有する、あるいは30歳前後であくまで家族優先ながらセカンドカーとして所有する、この2パターンが多いという。他にも大学生が初めて所有するクルマとしてケータハム・スーパーセブンを選んだパターンもあり、「ひとりひとりにドラマがあるんです」と浅岡さんは感慨深そうに話す。

大変なのはやはりクルマの維持管理で、そこには力を入れているそう。クラシックカーに365日機嫌よく乗ることがいかに難しいかは、容易に想像できるだろう。なおクルマを販売して終わりではなく、「長いこと楽しんで頂きたい」とイベントも仕掛けており、イギリスやアメリカにあるクルマを軸としたクラブをイメージされているようだ。途中で気になって、商売としてどうなのか(平たく書けば儲かるかどうか)を聞いてしまったが、通常形態のショップよりも利益率は高いとの答えが返ってきた。

400車種ものバックオーダーを抱える

こうしてお話を伺っていると、なるほど、これはデロリアン所有も夢ではないのか……と、じわじわとクルマの見え方が変わってくる。事実、今やガレージのスペースはいっぱいとなりウエイティングが入るほどで、何と400車種ものバックオーダーを抱えている。

肝心のデロリアンは走行距離約8000km、アメリカ未登録、日本でも1オーナーという奇跡の個体。この日は残念ながら試乗することはできなかったが、正直、見られただけでも眼福であった。本稿執筆時点ではあと2枠あるとHPに書いてあるので、気になる方は早めに問い合わせしたほうがよさそう。

取材後、ご厚意で1984年式メルセデス・ベンツ500SLに試乗できた。こちらも2枠を販売中。
取材後、ご厚意で1984年式メルセデス・ベンツ500SLに試乗できた。こちらも2枠を販売中。    山本佳吾

どうやら今後は深夜のファミレスで、「共同所有という手もあるんだよ」と選択肢を増やさねばならなそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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