アールキュリアル・レトロモービル・オークション

●2015.02.06　パリ／フランス レトロモービル・ウイークの最後を締め括ったのは、地元フランスのオークショナーであるアールキュリア。先頃発掘された大量のお宝が出品されることから、世界的に話題を集め、その結果も大盛況だった。  
レトロモービルのプログラムに組み込まれ、会場内で行われるオフィシャル・オークションが、アールキュリアル・レトロモービル・オークションだ。今回は出品台数が多いことから2部に分けて行われた。 今回のレトロモービル・オークションで話題になったのは、アールキュリアル・オークションのコレクター車部門チームが、フランスの西部で発掘した歴史的な価値の高い59台が出品されたことだ。これらのクルマは、私的なミュージアムを設立することを目標として、起業家であり先見の目を持つコレクターのロジェ・バリオン氏によって集められたものだった。しかし会社の経営状態が悪化したため、コレクションの半分は売却され、残ったクルマは納屋や鶏舎に押し込まれ約50年の間放置されていた。このうち鶏舎に入れられていたヴィンテージカーたちは風雨で痛みが激しいが、どれも貴重な存在であることに代わりは無い。 一方今回の目玉となったフェラーリ250GT SWBカリフォルニア・スパイダーとマセラティA6G グランスポルト・フルアの２台だけは、密閉された母屋の納屋に収められていたため、仕舞われた時の姿を保っていた。カリフォルニア・スパイダーは、フランスの俳優ジェラール・ブランが新車で購入し、後にアラン・ドロンに売却され、その当時のドキュメントも存在することから、世界中のコレクターから注目を集めることになった。 6日の午後2時から行われた第1部となるバリオン・コレクションのオークションは、ヴィンテージ期の貴重なお宝が多数眠っていたため、荒れたボロボロの状態ながら1949年型タルボ・ラーゴ T26 グランスポール SWBは2億2977万円を記録し、1948年型タルボ・ラーゴ T26 レコード・カブリオレが1億58万円と驚きの額で落札された。このほかにも1925年型イスパノ・スイザ H6B カブリオレが7725万円、1948年型ドライエ135M カブリオレは5794万円、1937年型ブガッティ・タイプ 57が4023万円まで値を上げた。どれも要レストアの朽ちた状態だが、リストのように高額で落札された。 開催前から注目を集めていたフェラーリ 250GT SWB スパイダー・カリフォルニアは、経年の痛みはあるが素晴らしいヒストリーに加え、当時のライセンス・プレートなどのドキュメントまで完備している点が評価され21億9888万円という驚きの落札額をマークした。一方1956年型マセラティ A6G 2000 グランスポルト・ベルリネッタ・フルアも貴重な1台だけに2億7147万円で引き取られた。 オークション2部は、午後5時から通常の内容で行われた。レトロモービルのオフィシャル・オークションとして開催されるだけに、20世紀初頭のモデルから現代までのコレクターズカーが118台用意された。 こちらで最高額を記録したのは1966年型フェラーリ 275GTBで昨今としては安めの2億6838万円で落札された。これに続いた1億円越えた物件は、1934年型メルセデス・ベンツ 380K カブリオレ Aの1億9116万円、1968年型ビッザリーニ5300GTストラーダが1億6800万円、1957年型メルセデス・ベンツ300SLロードスターは1億2552万円を記録した。 また2台出品されたマセラティ 3500GT スパイダー・ヴィニャーレは、1億1265万円と1億1587万円と最近の例に違わず１億円越えの存在になていた。他にも数多くマセラティが出品され、ミストラル・スパイダーは6437万円まで値を上げている。 一方で億越えの人気物件でもかなりが流れており、高騰が一段落した気配が感じられる。とはいえ現実的な価格帯のモデルはまだまだ上昇傾向にある。 今回のレトロモービル・オークションでは、4500人が入札に参加した。バリオン・コレクションはすべてに買い手が付き、オークション全体でも89%が落札される盛況ぶりだった。ちなみにここでの総落札額は?46,998,544／63億4481万円に達した。

1€（ユーロ）=135円で計算　NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。