アウディR8 V10プラス・プロトタイプ

公開 : 2015.02.20 23:50  更新 : 2017.05.29 18:14

第2世代となった新しいアウディR8。その慣れ親しんだ顔つきに惑わされてはいけない。確かに、アウディの研究開発部門の責任者であるウルリク・ハッケンバーグでさえ認めるように、2006年に登場した第1世代のR8のフェイスリフト・バージョンと思えるような出で立ちだ。しかし、その中身は、すべてが一新されたと言っても過言ではない。

アウディは今回のモデル・チェンジに際し、よりパフォーマンス志向のアプローチをした結果として、少なくとも英国では、大幅にアップデートされた5.2ℓのV10エンジンと7速デュアル・クラッチを組み合わせたトップ・モデルのみを最初にリリースするという戦略に出た。インゴルシュタットの4WDフラッグシップであるR8 V10プラスの大幅なパフォーマンス・アップは、その0-100km/hのタイムにも現れている。3.2秒ーーこれは、第1世代のR8よりも0.3秒速いというだけでなく、アウディ史上でも最も速いタイムである。

トップ・スピードも13km/h向上し、ミドシップ・クーペを330km/hの世界へと誘う。これは、最大130kgというダウンフォースを得るエアロダイナミクス・パッケージの補助もあるという要因も大きい。

更に、アイドリング・ストップや、長時間のパーシャル・スロットル時にエンジンを空転させる機能などを採用した結果、経済性も改善されている。

幸運にもわれわれはスペインのアスカリ・サーキットでそのプロトタイプに試乗する機会を得た。しかも、純粋なパフォーマンスを味わうだけでなく、限界付近のダイナミックさえも味わうことができたのだ。

高解像度のディスプレイと、オプション装備されるレーザー・ライト・テクノロジーも、スーパーカーとしてのR8の評判を上げるに十分なもの。アウディのラインナップの頂点に立つR8は、第1世代の成功を引き継がなければならないという使命が課せられているためこういった新しい技術も積極的に採用しなくてはならないのだ。ちなみに、第1世代のR8は、スパイダー・ボディを含めて8年間の歴史で26,000台を世界中で販売した実績がある。

R8がアウディにとって特別な存在であるかを示すひとつとして、専用の生産ラインをドイツのネッカーズルム工場に確保したということがある。ボーリンガー・ホーフェと呼ばれるその専用ラインは、このR8クーペと、2016年にデビューするR8スパイダーのためだけのものだ。

第2世代のR8のファースト・インプレッションは、第1世代と大きな変化がないように見えるものかもしれない。しかし、じっくり、そして長い時間かけて見ると、その違いは明らかになる。再構築されたフロント・グリル、より角ばったヘッドランプ、変更されたショルダー・ライン、よりシェイプの明確になったボディ・サイドと、そこに開けられた大きなエア・ダクトなど、そのアルミニウム製のボディ・スタイルに良い印象を持つまで、それほど長い時間を必要としないかもしれない。よりシャープで、よりエレガントな感じを受ける。また、そのティテールに関しても文句はない。特に、第1世代のR8 LMXで採用されたオプションとなるレーザー・ビーム(標準ではLEDとなる)ヘッドランプのデザインは秀逸だ。

ボディ・サイズに関しては、全長は4444mmと第1世代と変化がない。しかし、全幅は39mm広がった1944mmとなり、全高は9mm低くなった1241mmとなっている。

アウディは、そのスタリングにおいては、固有のキャラクターを保持しつつ、第1世代の持っていたキーとなる要素を強化することに主眼を置いたようだ。

ボディ・ストラクチャー、ドライブトレインといった基本的なコンポーネンツは、ランボルギーニ・ウラカンから持ち越されたもの。最も大きな変化はその構造だろう。

ハッケンバークは、「われわれが自身に課した厳しい車両重量の目標を達成するためには、ボディがアルミニウム製というだけでは充分ではなかった。そのため、リア・バルクヘッドや、フロアパンの一部などにカーボンファイバー – 強化プラスティックを採用することにした。」と語っている。その構造は、第2世代のR8のパフォーマンスの向上にとって、非常に重要な役目を果たした。

この構造を採用したため、スタティック時のボディ剛性は40%ほど向上し、しかもV10プラスでは、ウエイトも前作よりも66kg軽い(但しホイールベースの短いウラカンよりは32kg重いが)1454kgを達成した。

サスペンションは、継続して標準ではスティール・スプリングで、オプションとしてバリアブル・ダンピング・コントロールが可能なマグネライド・パッケージが与えられる。コンポーネンツとして、旧型からキャリーオーバーされたものは何一つとしてないが、その形式は4輪ダブル・ウィッシュボーンとアンチロール・バーの組み合わせと変わりない。トレッドおよびホイールベースのサイズは、アウディ・クワトロ部門のオリジナル・コンセプトに基き、フロント1640mm、リア1595mmというトレッドと、2650mmというホイールベースのサイズに変更はない。

関連テーマ

人気テーマ

 
最新試乗記

人気記事