タフな雰囲気にハッチバック級の乗りやすさ ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(2) 市街地で光る洗練度 悪路性能も期待以上

公開 : 2026.08.12 18:10

多彩なパワートレインで欧州販売が好調なジープ・アベンジャー。4xeハイブリッドは、2基目のモーターがリアに載る四輪駆動です。ラングラーを親戚に持つと思えないほど、走りは軽快です。UK編集部が評価します。

速度域の低い市街地で洗練度が光る

1.2L 3気筒ガソリンターボを、2基の電気モーターとスターター・ジェネレーター(ISG)がアシストする、ジープアベンジャーの4xeハイブリッド。総合での最高出力は145psながら、実際に運転してみると意外に活発なことがわかる。

そもそも、リアアクスルに駆動用モーターが備わらないe-ハイブリッドでも、発進時に電動アシストが加勢し、出だしの勢いは充分。特に中域では、スペック以上の力強さがある。通常の1.2Lガソリンターボより、3割ほど中間加速は鋭いという。

ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(欧州仕様)

四輪駆動の4xeハイブリッドでは、速度域の低い市街地で洗練度が光る。変速は静かで滑らかで、ガソリンエンジンと電気モーターのバトンタッチもシームレス。一方、高速域では少々エンジンが息苦しそう。0-100km/h加速は、9.5秒が主張される。

ドライブモードで「スポーツ」を選ぶと、全パワーを召喚できる。さらに、6速デュアルクラッチATをマニュアル・モードで操れば、スポーティなハッチバックのように峠道を駆け回れる。マッド&スノー・タイヤで、グリップは限られるが。

ラングラーを親戚に持つと思えない軽快感

フルハイブリッドの4xeハイブリッドだが、駆動用バッテリーの容量は小さく、車重は比較的軽い1475kg。ステアリングの反応にはダイレクト感があり、連続するカーブを軽快に巡ってみせる。フォード・プーマ級の、敏捷性ではないとしても。

車高は10mm持ち上げられ、カーブでのボディロールは若干大きめ。それでも、充分落ち着いた身のこなしにある。実際、本格的なテストコースで駆り立ててみたが、ジープ・ラングラーを親戚に持つとは思えないほどの軽快感だった。

ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(欧州仕様)

乗り心地は概ね好ましく、高速道路では特に快適。大きな凹凸でサスペンションが苦労する場面もあるが、安定感は高い。ただし低い速度域では、路面のツギハギなどの処理へ手を焼く様子。大きな段差を超えると、強めの衝撃が届くこともある。

燃費は、より軽い前輪駆動のe-ハイブリッドで、平均18.5km/Lと優秀。だが2基目の駆動用バッテリーが載る4xeハイブリッドでも、現実的に18.0km/Lは狙える。エンジンを積んだ四輪駆動モデルとして、屈指の高効率といえるだろう。

難易度の高いオフロードも難なくこなす

4xeハイブリッドの四輪駆動システムは、基本的に日常的な未舗装路や雪道を想定したものといえる。しかし、難易度の高いオフロードコースも期待以上にこなしてくれる。

ローレンジ・モードや、ヒルディセント・コントロールは備わらない。だがドライブモードには、オフロードを想定したサンド&マッドや、スノー・モードが備わる。路面に合わせて、それぞれ6速ATやトラクション・コントロールが制御される。

ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー 4xeハイブリッド(欧州仕様)

深い窪みがある地面を難なくこなし、滑りやすい斜面でもトラクションが保たれ止まることはない。ランドローバーディフェンダー級でなければ難しい急傾斜も、クリアしていた。最低地上高が更に高ければ、能力は一層増すはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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