フォルクスワーゲン・シロッコR-ライン2.0TDI 184

公開 : 2015.02.23 23:30　　更新 : 2017.05.29 18:57

ディーゼルゆえにパワー・バンドは4000rpmまでと限られているけれど、おかげでテスト期間中には22.7km/ℓという優れた平均燃費をマークできた。115g/kmのCO2排出量も活気あるクーペとしては見事である。

フェイスリフト前に見受けられた ’easy-to-live-with(=懐の広さ)’ も健在。路面からの衝撃は硬質であるものの、高速道路の速度域でも車内は平穏を保たれているため、常に安定感に身を委ねることができる。

ステアリングの重みも、これから勢いのあるドライビングを楽しもうとしている向きにとって最適なもの。タイヤとのコミュニケーションを取りやすくしてくれる情報量の多さにより、より運転は魅力あるものになる。

インテリアのレイアウトも加点ポイント。よく使うボタンを運転席側に集めてくれているのもありがたい。加えて、シートのサポートも充実している。おかげで九十九折でも体がズルズルと動きまわることはなかった。

■「買い」か?

高い実用性、装備の豊富さ、美しさ。さらに際立った平均燃費や瞬発力の良さは、シロッコの魅力に華を添えることは間違いない。

ただ、周りを見わたせば、アウディTT 2.0TDIや、BMW 220d Mスポーツなど、同価格帯でもっと楽しいクルマがあることを忘れるのはむずかしい。

(ダレン・モス)