実際に発売も デザイナー志望の学生が「スーパーカー」に挑戦 プロの目に留まった4作品とは?

公開 : 2025.03.11 18:25

自動車デザインで大切なこととは?

最終的に、優勝に輝いたのは、すでに中国・上海のニオ(NIO)でインターンとして働いているハオユエン・バイさんだった。彼のデザインは、均整のとれたプロポーションで、目立つリアスパッツが特徴的であり、満場一致で選ばれた。

他に選外佳作となったのは、同じく中国人のゼファン・シャンさんとユヨン・インさん、そしてオランダ人のボー・シルケンズさんであった。審査員は、いずれも受賞にふさわしい作品だが、魅力的なスケッチを3D作品に仕上げるという難しい作業をうまくこなしていたら、なお良かっただろうと評価した。

今回のプロジェクトはリバーシンプル社主導で、コベントリー大学の学生14名と複数の自動車デザイナーが参加した。
今回のプロジェクトはリバーシンプル社主導で、コベントリー大学の学生14名と複数の自動車デザイナーが参加した。

リバーシンプルのCEOであるスポワーズ氏は、優勝者のバイさんの作品には正真正銘のスーパーカーの素質があると言う。他の作品のように背が高すぎたり、部分的に膨らみすぎたりせず、適切なボリュームを備えた、独特の魅力を放つデザインだと感じたそうだ。

スポワーズ氏は、多大な時間と労力を費やしたこのデザインコンペを「非常にポジティブな経験」と評した。しかし、学生たちと同様に、これはあくまでも第一歩に過ぎないことも認めている。

新しいモデルを市場に送り出すにはまだまだやるべきことが山積みだ。スポワーズ氏は現在、次のステップを検討しているところだ。

クルマのスタイリングは、外観上の美しさだけでなく、性能と設計者の意図を表現する上で重要な役割を担っている。今回のプロジェクトでは、何よりもそのことが証明された。

ハオユエン・バイさん

ハオユエン・バイさん(22歳)は、996世代のポルシェ911を初めて見たときに自動車デザインに魅了された。その996のデザインを主導したピンキー・ライ氏と、キア(起亜)を「デザイン」ブランドへと変貌させたペーター・シュライヤー氏を最も影響を受けた人物として挙げている。

ニオのインターンであるバイさんは、上海で初めてデザインの学位を取得した。審査員は、今回の彼の作品について、リアスパッツと前後で異なるデザインが特徴的で、リバーシンプルのスーパーカーとして理想的なプロポーションを実現しており、スケッチもまた非常に洗練されたものだと評価した。

優勝したハオユエン・バイさん(中央)、審査員のダレン・デイ氏(左)とイアン・カラム氏(右)。
優勝したハオユエン・バイさん(中央)、審査員のダレン・デイ氏(左)とイアン・カラム氏(右)。

ユヨン・インさん

24歳のユヨン・インさんがコベントリー大学で学ぶ理由は、同校に長いデザインの歴史があること、そしてアストン マーティンとJLRの工場に近いことだ。

中国で環境デザインを学んだ彼は、すでに吉利汽車とBYDでインターンシップを経験しており、「自分がずっと乗り続けたいと思えるクルマをデザインすること」が目標だと語る。

ユヨン・インさんと作品
ユヨン・インさんと作品

審査員は彼のデザインにおいて、主にそのまとまりの良さを高く評価した。フロントとリアの形状が非常によくマッチしている点である。また、今回がクレイモデルの初挑戦であったことにも感銘を受けていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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