【『ひひいろのこどう』で、未来を晴れに】ポケモンが監修したホンダコライドンを世界初披露

公開 : 2025.03.18 07:05

ホンダが株式会社ポケモンの監修のもとに立ち上げた、コライドンのカタチをしたミライモビリティを製作する『ホンダコライドンプロジェクト』。アシモの制御着技術等、ホンダの本気を注ぎ込んだほぼ実物大モデルがお披露目されました。

ホンダコライドンプロジェクト』が始動

日本のみならず、世界中の子どもと大人を夢中にしている人気ゲームソフト『ポケットモンスター スカーレット』が発売されたのは2022年のこと。

物語のキーとなる伝説のポケモンが揺るぎない強者の自覚と強い好奇心を持っているコライドンで、株式会社ポケモンの監修のもと、ホンダがコライドンのカタチをしたミライモビリティを製作する、その名も『ホンダコライドンプロジェクト』を始動。去る3月7~9日にかけ、ホンダ・ウエルカムプラザ青山にて、逞しい胴体、手足、顔に至るまでがほぼ実物大で精巧に創り込まれたホンダコライドンが先行初披露された。

「ホンダの本気が子どもの夢になる」というスローガンのもとでプロジェクトが始動。
「ホンダの本気が子どもの夢になる」というスローガンのもとでプロジェクトが始動。    高桑秀典

コライドンは本来ゲームの中でのみ出会えるポケモンだが、ゲームで遊んだり見たことがある人の多くが、さまざまな形態に姿を変えるコライドンにまたがって自由自在に移動してみたいと願っており、ホンダのエンジニアの中にも、そのように想った熱き大人たちが複数いた。

社内公募で集まった約40名の有志がプロジェクトメンバーとなったが、先行初披露の場では、プロジェクトチーム推進責任者二輪事業企画部の坂本順一さんと、プロジェクトチーム開発責任者二輪事業企画部の萩原和也さんが登壇。ホンダのモノづくりへの想いを話してくれた。

製作にあたり、二輪事業が培ってきた設計思想やシミュレーション技術を応用。先進技術研究所が持つ先進バランス制御技術を取り入れ、ホンダが考えるミライモビリティとして極限まで追求している。

立場関係なくワイガヤすることで多様なアイデアが

「コライドンを見て、ホンダとの親和性を感じ、トヨタミライドンが登場し、ホンダでも造りたいという想いが湧き上がってきました。昨年の7月頃ポケモンにお邪魔し、ご提案。想いが伝わり、社内に持ち帰りました。ホンダには挑戦することに寛容な文化があり、製作がOKになりましたが、ホンダらしいコライドンを造るようにという宿題が出ました。2輪部門だけでは厳しいので、オールホンダで臨むことにし、各部門に足を運びました」

そのように話してくれた坂本さんによると、自薦他薦であっという間にメンバーが集まり、部門を跨いだシナジー効果が生まれたそうだ。

顔、目、瞼などの細かい部分も再現。手足は走行に関与せず、アシモの技術で動かす。
顔、目、瞼などの細かい部分も再現。手足は走行に関与せず、アシモの技術で動かす。    高桑秀典

有志メンバーの第一号となり、開発責任者を志願した萩原さんは、ミライドン、コライドンからバイクを連想し、トヨタミライドンを見てワクワクしたが、それと同時にホンダでも……と想って悔しさもあったのだという。

「資料を作成するにあたり、日夜ゲームをやって動きや表情などを研究しましたが、家族から揶揄されてもナイショの案件なので、ただ単にゲームが好きだからやっている、という話で押し通しました」 

家庭でも苦労した萩原さんは、ホンダならではの議論手法であるワイガヤで、子どもたちをターゲットにして、ワクワクやモノづくりの楽しさをどうやったら伝えられるのかを話し合ったとも話してくれた。

坂本さんも、通常の機種開発とまったく違ったワイガヤになり、さまざまなアイデアが出た話を披露した。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

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