【25年ぶりに復活】新型ホンダ・プレリュードでスペシャルティカー復権!キモはホンダS+シフト

公開 : 2025.01.26 11:45

ホンダは今秋発売予定となる『プレリュード』のプロトタイプを東京オートサロン2025に出展。そのキーポイントなどについて、内田俊一が関係者に話を聞きました。

スペシャルティカー復活

ホンダは今秋発売予定となる『プレリュード』のプロトタイプを東京オートサロン2025に出展。そのキーポイントなどについて関係者に話を聞いた。

そもそもプレリュードのターゲットはどういう人たちなのだろう。本田技研工業国内四輪営業部の川嶋健太さんによると、「昔、プレリュードに乗っていたジェネレーションX世代がメインターゲット」だという。ショー会場でも同世代から「プレリュードが復活するんだ、懐かしい」という声が多く聞かれたそうだ。

新型ホンダ・プレリュードは今秋発売予定。右の初代から数えて6代目となる。
新型ホンダ・プレリュードは今秋発売予定。右の初代から数えて6代目となる。    本田技研工業

そしてその子供世代となる「ジェネレーションZの若い世代にも興味を持ってもらいたい」とも。これは親世代とその子供が一緒に乗ることで、「こんなクルマがあるんだと若い世代にも気づいてもらいたい」というストーリー性も考えられている。

また『アンリミテッドグライド』をコンセプトとし、「グライダーを気持ち良く操る楽しみ、気持ちよくドライブすることを表現しており、昔でいうスペシャルティカーやデートモデルみたいなところもイメージしている」と川嶋さん。そして、「長い間そういうクルマがホンダになかったので、改めて25年ぶりにプレリュードを復活させた」とのことだ。

また川嶋さんは、「我々にはスポーツモデルとしてシビック・タイプRがあるものの、これはガチガチのスポーツで少しガソリン臭い(笑)。そこに対して、新たな電動化の時代としてハイブリッドのスポーツを表現したい」とプレリュードを位置付けた。つまり、内燃機関の究極がタイプRであり、ハイブリッドでの究極がプレリュードになるようだ。ホンダのことだから、BEVでもそういうクルマの開発をしていることだろう。

人間の感覚に訴える楽しさ

ハイブリッドスポーツとなるプレリュードのウリはやはり『ホンダS+シフト』で、それは川嶋さんも認めるところだ。シビックe:HEVなどに搭載されている『リニアシフトコントロール』が、加速側でダイレクトなシフトアップフィーリングを再現しているのに対し、ホンダS+シフトは減速側でも同じように表現されており、リニアシフトコントロールの進化版と捉えていいだろう。本田技研工業日本統括部部長の高倉記行さんも、「次世代のe:HEVを搭載する全機種に順次展開していく」とコメントしている。

具体的には、シフトアップ時の有段シフト感や変速時のシフトショックやブリッピングなどを体感でき、走る喜びを強調。同時にエンジン音だけでは足りないことから、さらにプラスしている音もあるようだ。事前試乗会では「とても評判が良かった」とは、本田技研工業で国内四輪営業部宣伝・広報課主任を務める宮本慶浩さんのコメント。

ハイブリッドスポーツとなるプレリュードのウリはやはり『ホンダS+シフト』。
ハイブリッドスポーツとなるプレリュードのウリはやはり『ホンダS+シフト』。    本田技研工業

また、これまでのハイブリッドは、ブレーキを踏むと回生のためにエンジンをストップさせていた。しかし、ホンダS+シフトでは、「ブレーキを踏むと逆にエンジンが本当の減速時のようにシフトダウンして回転数が上がり、そうすると、発電が始まり蓄電し、即強力なパワーを用いて加速に使える。その結果、立ち上がりの機敏さもこれまでのモーターよりもレスポンスが高まる」と宮本さん。さらに「ハイブット史上、一番すごい」とも語っていた。

前出の高倉部長は、「カーボンニュートラルの時代においても、また自動運転技術が普及していく過程においても、操る喜びを提供し続け、継承していく」とプレリュードを紹介。ハイブリッドでもどれだけ操る喜びを体感させてくれるのか、市販版が登場する今秋を楽しみに待ちたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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